04 6月 2019

【論文紹介】Synthesis and Characterization of a Molecularly Designed High‐Performance Organodisulfide as Cathode Material for Lithium Batteries – Shadike – – Advanced Energy Materials

Adv. Energy Mater. 2019 doi: 10.1002/aenm.201900705
・米国エネルギー省(DOE)のBrookhaven National Laboratoryの研究者らは、LiS電池用の新規硫黄系有機正極材料を開発。
・カソード材料に革新的な有機ジスルフィド化合物(2,3,4,6,8,9,10,12‐Octathia biscyclopenta[b,c]‐5,11‐anthraquinone‐1,7‐dithione (TPQD))を用いた。
・TPQDは251.7mAh/gの初期容量を示す。これは、1分子あたり4.7電子反応に相当する。
・X線吸収分光測定および理論計算の結果、この高い容量はキノン基のOのレドックスやジスルフィド結合の開裂/再結合によって達成されることを確認。
・さらに、ベンゾキノンおよびジチアンによって導入された材料のπ共役構造は、レート特性やサイクル安定性を改善する。
<元記事>https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/aenm.201900705

LIS電池というよりは、有機活物質電池だろうか。最近、このような硫黄化合物の合成に関する報告を目にする。
全固体電池よりも有機電池の方がウエアラブル向きだと思う。

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20 12月 2018

【ニュース】ADEKA 次世代二次電池向けレアメタルフリー活物質のサンプル提供を開始

・株式会社ADEKAは、次世代二次電池用活物質「硫⻩変性ポリアクリロニトリル」(以下、「SPAN」)の 2020 年度の製品化を目指して、サンプル提供を開始した。
・性能面やレアメタル問題を解決する次世代電池向け活物質として、硫⻩が注目されていたが、充放電時に生成する反応中間体が電解液へ溶出し、寿命を悪化させることから、二次電池向け活物質としては広く実用化には至っていなかった。
・今回、ADEKAはポリアクリロニトリル(PAN)と硫⻩を反応させた SPANが⻑期にわたって安定した電池性能を保持することを確認した。
<元記事>https://www.adeka.co.jp/news/pdf/181217.pdf


◯解説:
硫黄を正極に用いた時の課題の一つに、電解液に溶解すること、だとされている。その問題に取り組む研究開発が多い。解決方法としては、溶解しない材料を開発することと、溶解しないもしくはしてもいい仕組みを開発することに分かれる。今回の成果は前者に対するものである。
この発表もそうであるが、評価基準が曖昧な表現が多い。「⻑期にわたって安定した電池性能を保持する」というのは比較対象があるはずである。基準が市場と関係なく自社で設定したものでないことを期待したい。

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08 1月 2018

【論文紹介(オープンアクセス)】Advanced Sulfur-Silicon Full Cell Architecture for Lithium Ion Batteries

出典:https://www.nature.com/

Scientific Reports 7, Article number: 17264 (2017) doi:10.1038/s41598-017-17363-5
・硫黄正極、シリコン負極ともに、高容量活物質として注目されているが、それらを組み合わせてフルセルとして駆動するには、初期に負極にリチウムイオンをプレドープする必要がある。
・これまで報告されているような、硫化リチウムを用いるなどのプレドープ法は材料加工を複雑にし、危険をもたらす。
・本手法は、負極の一部に未塗工部を設けて、そこにリチウム金属を(電気的に)接触させる。この状態で放電を開始する。
・ この手法でプレドープを行ったS/Siフルセルは、250サイクル後にも350Wh / kgの高い比エネルギー密度が得られた。
<元記事>https://www.nature.com/articles/s41598-017-17363-5

07 8月 2017

【論文紹介】Enabling electrolyte compositions for columnar silicon anodes in high energy secondary batteries

出展:http://www.sciencedirect.com/

Journal of Power Sources, Volume 362, 15 September 2017, Pages 349-357
・高エネルギー密度電池の負極として柱状シリコンを用いて、NCA正極または硫黄正極と組み合わせた。
・電解液にフッ素化エーテル/スルホラン溶媒混合物を用いることで、シリコン電極の表面上に良好な固体電解質界面(SEI)を形成し、容量維持率を大幅に改善する。
・新規電解質を用いることで980 Wh/Lのエネルギー密度を達成した。
<元記事>http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0378775317309345

15 5月 2017

【論文紹介】Core-shell Li2S@Li3PS4 nanoparticles incorporated into graphene aerogel for lithium-sulfur batteries with low potential barrier and overpotential

出典:http://www.sciencedirect.com/

Journal of Power Sources, Volume 353, 15 June 2017, Pages 167–175
・LiS電池用の硫黄正極について。
・新規なコア – シェルLi2S @ Li3PS4複合材料を合成した。
・Sナノ粒子を水素化トリエチルホウ素リチウムでプレドープをを行い、ナノLi2Sを合成。
・ここに五硫化二リンを加えることで、ナノLi2S表面に固体電解質 Li3PS4を形成した。
・このLi2S @ Li3PS4複合材料をグラフェンとともに電極化した。
・グラフェンの電気伝導性により集電体を必要としない。
・この複合体が初期サイクルで934.4mAh/gの高い放電容量を示した。
<元記事>http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0378775317304147

07 3月 2017

【論文紹介(オープンアクセス)】Advances in lithium–sulfur batteries based on multifunctional cathodes and electrolytes

出典:http://www.nature.com/

Nature Energy 1, Article number: 16132 (2016), doi:10.1038/nenergy.2016.132
・LiS電池の硫黄正極の最近の開発動向をまとめたレビュー。
・ポリスルフィドによるシャトルを抑制する手法として、吸着によるアプローチや溶出自体を抑制する電解液設計などを紹介。
・高比表面積で硫黄を充填するためのアプローチ方法など紹介。
<元記事>http://www.nature.com/articles/nenergy2016132

31 1月 2017

【論文紹介】Functionalized Boron Nitride Nanosheets/Graphene Interlayer for Fast and Long-Life Lithium–Sulfur Batteries

Advanced Energy materials 25 January 2017, DOI: 10.1002/aenm.201602380
・LiS電池のポリスルフィドのシャトル抑制手法についての報告。
・窒化ホウ素ナノシートとグラフェンからなる薄膜を硫黄正極上に被覆する。
・電荷移動抵抗の低減、ポリスルフィドのシャトルを抑制できる。
・60wt%の硫黄含有量の硫黄/多孔質カーボンナノチューブ正極に適用することで長寿命化、高クーロン効率、更には高出力のLiS電池を作製した。
<元記事>http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/aenm.201602380/full