06 11月 2017

【論文紹介(オープンアクセス)】Two-dimensional lithium diffusion behavior and probable hybrid phase transformation kinetics in olivine lithium iron phosphate

出典:https://www.nature.com/

Nature Communications 8, Article number: 1194 (2017); doi:10.1038/s41467-017-01315-8
・LFPの結晶中のリチウムイオン輸送のダイナミクスを詳細に解明するため、[010]方向に長軸を持つ単結晶LFPマイクロロッドの脱リチオ化をオペランド硬X線分光イメージングと位相場モデリングを組み合わせて脱リチオ化のメカニズム解明を試みた。
・その結果、従来、LFP結晶中の欠陥はバグと考えられていたが、この欠陥がリチウム輸送に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。
・欠陥のない単結晶ではリチウムイオンは一軸方向にしか輸送できないが、点欠陥部位では、リチウムイオンが二次元的に拡散することができる。
・以前に予測された表面反応に限定された相境界(リチウムリッチ相と不足相)移動機構と、相境界運動が異なる結晶学的方向に成長する相境界移動機構の両方でリチウムが拡散する”ハイブリッドモード”で充電が進行していることを明らかにした。
<元記事>https://www.nature.com/articles/s41467-017-01315-8

01 9月 2017

【論文紹介(オープンアクセス)】Visualizing redox orbitals and their potentials in advanced lithium-ion battery materials using high-resolution x-ray Compton scattering

出典:http://advances.sciencemag.org/

Science Advances 23 Aug 2017:Vol. 3, no. 8, e1700971;DOI: 10.1126/sciadv.1700971
・高輝度光科学研究センター、群馬大学、立命館大学、京都大学、ノースイースタン大学(米国)、アントワープ大学(ベルギー)、AGH科学技術大学(ポーランド)らの研究グループのプレス発表”高エネルギーX線散乱を用いた新たなリチウムイオン電池評価法を確立”の元論文。
・本研究グループは、100 keV以上の高エネルギーX線を用いたコンプトン散乱法により、オリビン型リン酸鉄リチウムの多結晶体試料から酸化・還元軌道の可視化に成功した。
・その結果、酸化・還元軌道は正極材料物質の結晶歪みの具合によって大きく変化するだけでなく、酸化・還元軌道の状態変化は重要な電池性能のひとつである電位の変化に比例していることがわかった。
・本方法により、非破壊で電池内部の活物質の酸化還元軌道の電子状態分布や局所電位シフト分布の測定が可能になり、より根本的な視点からリチウムイオン電池の動作原理の理解が進み、リチウムイオン二次電池の高性能化に貢献することが期待される。
<元記事>http://advances.sciencemag.org/content/3/8/e1700971

22 5月 2017

【分析技術】リチウムイオン電池正極の三次元反応分布計測3D – SPring-8/SACLA 利用研究成果集

出典:https://user.spring8.or.jp/

・リチウムイオン電池のレート特性を支配する現象の解明を目指し、リチウムイオン反応分布の二次元および三次元可視化計測法を検討した。
・LiFePO4正極の二次元可視化から、集電体側に比べてセパレータ側で反応が進行していることがわかった。
・X線吸収分光法とラミノグラフィー法を利用した二次元XAS(2DXAS)および、三次元XAS(3DXAS)による可視化計測法により、電極断面毎のリチウムイオン反応分布の可視化に成功した。
・しかし、電極断面の上下におけるリチウムイオン反応分布の差異までは識別できていないことが判明した。
<元記事>https://user.spring8.or.jp/resrep/?p=8429

07 4月 2017

【論文紹介】A simple route to improve rate performance of LiFePO4/reduced graphene oxide composite cathode by adding Mg2+ via mechanical mixing

出典:http://www.sciencedirect.com/

Journal of Power Sources, Volume 347, 15 April 2017, Pages 29–36
・LFP正極のレート特性向上手法についての提案。
・Mg2+を導入したLFPと還元酸化グラフェン(rGO)の複合体をメカニカルミリングと熱処理で作製した。
・Mg2+の導入のみや、rGOとの混合のみではレート特性は改善されない。
・Mg2+とrGOが同時に存在する場合のみレート特性が向上する(20Cの放電容量が37mAh/gから78mAh/gに改善)。
・XPSにより、Mg2+とrGOが同時に存在する場合のみ放電中にFe2+からFe0までの還元が確認された。
・これにより簡易なプロセスでLFP正極レート性能を大幅に改善することができた。
<元記事>http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0378775317302082

10 2月 2017

【論文紹介】In operando neutron diffraction study of the temperature and current rate-dependent phase evolution of LiFePO4 in a commercial battery

出典:http://www.sciencedirect.com/

Journal of Power Sources, Volume 342, 28 February 2017, Pages 562–569
・オペランド中性子回折を用いて、LFP正極の動的挙動を詳細に観察した。
・充電中の温度や電流値は、LiFePO4からFePO4への遷移を著しく遅延させる。
・著しく遅延したLiFePO4からFePO4への遷移は、その後の電気化学的ステップでも生じ続ける。
・このような電極の非平衡状態に関する情報は、温度および電流などの電池の実際の動作条件に影響する。
<元記事>http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0378775316317438

24 1月 2017

【論文紹介】Origin and hysteresis of lithium compositional spatiodynamics within battery primary particles

Science 05 Aug 2016:Vol. 353, Issue 6299, pp. 566-571
DOI: 10.1126/science.aaf4914
・LFP正極の固体ー電解液界面におけるリチウムイオンの挿入反応速度及び不均一性を、Li組成やダイナミクスをマッピング可能なオペランドX線顕微鏡を用いて調査。
・充電速度やリチウム組成におけるナノスケールでの空間的変動は、リチウム化の経路に影響する。
・充電(脱リチウム化)時に不均一な領域を形成し、放電(リチウム化)時には不均一性が抑制され、固溶体を安定化させる
・リチウム組成と表面反応速度は、リチウムイオン挿入時の動力学や均一性に影響する。
<元記事>http://science.sciencemag.org/content/353/6299/566

20 12月 2016

【論文紹介】Influence of Conductive Carbon Content Using a Three-Dimensional Foam-Type Current Collector for Lithium Ion Battery

J. Electrochem. Soc. 2016 volume 163, issue 14, A2981-A2987, doi: 10.1149/2.0581614jes
・LFP正極の高出力化に関する報告。
・NiCrAlの三次元発泡金属集電体を用いて、その際のカーボンブラックの添加量を変えた。
・カーボンブラックの添加量を増加させることで、電解移動抵抗が減少し、出力特性が大幅に向上する。
<元記事>http://jes.ecsdl.org/content/163/14/A2981

24 11月 2016

【論文紹介】LiMPO4 and derived NaMPO4 (M = Mn, Fe, Mg) with excellent electrochemical properties for lithium/sodium ion batteries

出展:http://www.sciencedirect.com/

Journal of Power Sources Volume 336, 30 December 2016, Pages 231–239
・ Li(Mn,Fe)PO4/CにMgをドープすることで、-20℃から55℃の範囲で優れた電気化学特性が得られる。
・さらに、ナトリウムイオン電池用正極材Na(Ma,Fe)PO4にMgをドープすることで、平均電圧3.1Vで126mAh/gの可逆容量を得た。
<元記事>http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0378775316314756

20 11月 2016

【論文紹介:オープンアクセス】Enhanced Electrochemical Performance of LiFePO4/C Composite Cathode by a Novel Glycine-assisted Sol-gel Synthesis

Electrochemistry Vol. 84 (2016) No. 11 p. 833-835, http://doi.org/10.5796/electrochemistry.84.833
・LFP正極の新規な炭素被覆手法として、グリシンアシストゾルゲル法を試みた。
・グリシンは、キレート試薬および炭素源の2つの役割を果たす。
・SEM観察により、グリシンはLFPの結晶構造には影響しないが、LFPの粒子サイズを小さくする効果があることがわかった。
・700℃で8時間合成したLiFePO4 / Cサンプルは、163.5mAh / gの最も高い初期放電容量を示し、これは理論容量の96.2%にあたる。
<元記事>https://www.jstage.jst.go.jp/article/electrochemistry/84/11/84_16-E00049/_article

10 10月 2016

【論文紹介】Soft-contact conductive carbon enabling depolarization of LiFePO4 cathodes to enhance both capacity and rate performances of lithium ion batteries

出展:http://www.sciencedirect.com/

Journal of Power Sources, Volume 331, 1 November 2016, Pages 232–239
・LFP正極に用いる導電剤についての報告。
・ソフトに接続された導電性カーボン(SCC)と、ハードに接続された導電性カーボン(HCC)を比較。
・SCCはHCCと比べて、LFP粒子との接触面積が大きくなり、レート特性、放電容量が向上する。
<元記事>http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0378775316312113