01 7月 2019

【コラム】再エネで脱炭素化は幻想である –第2部 エネルギー革命は物理法則を超えられない  NPO法人 国際環境経済研究所

・2016年に米国エネルギー学会の“Energy Writer of the Year”を受賞しているMark P. Mills氏が19年3月に発表した論考、”The New Energy Economy: An Exercise in Magical Thinking”の概要について紹介。
・エネルギー安定供給を確保するためのエネルギーの保管という観点では、石油やガスを数か月にわたって保管するためのコストは、1バレルあたり1ドル以下。一方、石油1バレル相当の電力エネルギーを蓄電するコストは現状では200ドル。
・再エネの大規模導入は社会にコスト負担を強いている。太陽光、風力といった再エネの拡大による「見えないコスト」が実際の電気料金に加算されている。
・仮に蓄電技術が、コスト的にも重量ベースでも200%進歩したとしても、石油備蓄の経済性にはかなわない。
・1バレルの石油相当の電力エネルギーを蓄電できるバッテリーの生産のために必要となる総エネルギーは、石油換算で100バレルに上る。
・IT革命同様の劇的な効率改善が「エネルギー生産」の分野で起きることは、物理学的に見て「ありえない」。
・脱炭素化社会の実現には、太陽光や風力、蓄電池といった現在語られているような「はやりの」再エネ技術ではなく、それらより質的にもコスト的にも、けた違いに優れた、より革新的なエネルギー創出、蓄積技術の開発と実用化が必須になるが、そうした技術はまだ人類は手にしておらず、今のところ「新エネルギー経済」へ移行していく、あるいは移行できるというのは幻想にすぎない、というのが同氏の結論。
<元記事(その1)>http://ieei.or.jp/2019/06/opinion190614/
<元記事(その2)>http://ieei.or.jp/2019/06/opinion190617/

指摘は同意できるところがある。ただ再エネの導入は生活の利便性を高めるために導入を進めていると私は考えている。アフリカで多くの人が電気を使えるようになった。日本で言えば、島への電力供給としては有効な手段の一つである。地域によって適切なものが選べるようになったことは大きな進歩である。自分の眺めている視点だけでこのような結論を下すのは如何なものかと思う。電気自動車も似たような性質があり、有効な地域もあるがそうでない地域もある。棲み分けていくものだ。

お気軽にご連絡ください。
●会員向けの購読依頼
まとめサイト担当:comment_x (at) arm-tech.jp
●電動化およびエネルギー関連の商品・サービス、電池戦略に関するご相談
大木:Hideki.Oki (at) arm-tech.jp

12 6月 2019

【ニュース】Scottish Power社、風力発電の余剰分蓄える巨大蓄電設備設置へ。強風時に蓄電、電力不足時に秒単位で供給制御 – Engadget 日本版

・スコットランドの電力会社Scottish Powerが、214基のウィンドタービンが起こす電力を蓄える巨大蓄電システムの建造を計画している。
・総容量50MWのリチウムイオンバッテリーを用い、風が強いときに発電した電力を蓄え、風がないときはバッテリーから電力を供給する。
・The Guardianの伝えるところでは、この蓄電池システムは英国内で最も大きなエネルギー貯蔵プロジェクトとなり、カーボンフリーな社会の実現に一歩近づくものになるとのこと。
・元ニューヨーク市長マイケル・ブルームバーグ氏は、米国の石炭火力を閉鎖させるために5億ドルもの投資を計画しており、今後は世界的に蓄電池システム設置の流れが形成されていくことになるかもしれない。
<元記事>https://japanese.engadget.com/2019/06/11/scottish-power/

再生可能エネルギーの活用は推進すべきであるし、様々な検討をしていくべきだと思う。一方で、LIBには寿命があることを考慮すべきであろう。初期コストだけでなく更新、さらには廃棄するための費用も考えないといけない。

お気軽にご連絡ください。
●会員向けの購読依頼
まとめサイト担当:comment_x (at) arm-tech.jp
●電動化およびエネルギー関連の商品・サービス、電池戦略に関するご相談
大木:Hideki.Oki (at) arm-tech.jp

02 6月 2019

【ニュース】世界初:火力発電所をテスラの大規模蓄電池に置き換える米・カリフォルニア州(EVsmart Blog)

・「カリフォルニア州公益事業委員会(CPUC)」は、同州のエネルギー企業「PG&E」社が3ヶ所の「火力発電所」を、テスラ社が製造する「大規模蓄電池」に置き換える計画を承認した。火力発電所が大規模蓄電池に置き換えられるのはこれが世界初。
・今回の大規模蓄電池に使われるテスラの蓄電池は、従来の「パワーパック(Powerpack)」を基にしたものではなく、より大きな「メガパック(Megapack)」という新しいユニット。
・今回のプロジェクトでは、「総容量1,200MWh」で「メガパック449台」が設置されるということなので、「1,200/449=2.6726…」でメガパック1台あたりの容量はおよそ「2,673kWh」ほどではないかと見られている。
<元記事>https://netallica.yahoo.co.jp/news/20190531-33651042-gtsushin

蓄電池は発電できないので、太陽光などとセットでということだろうか。
具体的な用途が記載されていないが、周波数調整用であればアメリカでは多くの成功事例がある。一方で、ピークカットはなかなか利益が出ていないようである。

お気軽にご連絡ください。
●会員向けの購読依頼
まとめサイト担当:comment_x (at) arm-tech.jp
●電動化およびエネルギー関連の商品・サービス、電池戦略に関するご相談
大木:Hideki.Oki (at) arm-tech.jp

29 5月 2019

【ニュース】Audi  1.9 MWhの使用済み電池から作成したSEEをベルリンに設置 – electrive.com

・アウディはベルリンに1.9 MWhの容量の定置型エネルギー貯蔵施設を開設した。
・使用したセカンドユースのリチウムイオン電池は開発用のe-tron車もので、電気自動車とエネルギーグリッドの間の様々な相互作用シナリオをテストする。
・AudiのReiner Mangoldは、EVバッテリーのセカンドライフアプリケーションは「電気自動車を手頃な価格にするために不可欠」であり、自動車業界が生き残るためには不可欠だと述べた。
<元記事>https://www.electrive.com/2019/05/26/berlin-audi-sets-up-1-9-mwh-stationary-battery/

この取り組みで本当に電池を安くできるストーリーができているとしたら、競争力のある技術を開発したということであろう。
自動車を設計する上で、品質や性能の異なる中古の基幹部品を使用することはない。このような設計は本来自動車メーカーはやってこなかったことである。それができたということであろう。

お気軽にご連絡ください。
●会員向けの購読依頼
まとめサイト担当:comment_x (at) arm-tech.jp
●電動化およびエネルギー関連の商品・サービス、電池戦略に関するご相談
大木:Hideki.Oki (at) arm-tech.jp

26 5月 2019

【ニュース】東京大学、トヨタ自動車、TRENDE 次世代P2P電力取引で共同でテストを実施- Green Car Congress

・東京大学(UTokyo)、トヨタ自動車、TRENDEは、6月17日からトヨタ東富士テクニカルセンターおよびその周辺地域で、次世代のピアツーピア電力システム(P2P電力取引)で共同でテストを実施する。
・現在、ソーラーパネル、二次電池、電気自動車などの分散型電源が普及するにつれて、日本の電力供給システムは、従来の大規模な統合システムから個人や企業が所有する分散システムに移行する過渡期である。
・この共同テストは、電力網に接続された家庭、企業、および電動車両がブロックチェーンを使用して電力を取引することを可能にすることが狙い。
<元記事>https://www.greencarcongress.com/2019/05/20190524-trende.html

個人所有の自動車を定常的な分散電源として考えるのが私はあまり正しい選択だと思わない。
一方で、再生可能エネルギーを利用するためにはこのような検討は必要不可欠である。このような仕組みは発電事業主には面白いが、送電側にとっては旨味が少ない。電力は安定供給を求められる。一部に注目するのでなく、バリューチェーン全体を考えたシステム作りが重要ではないだろうか。

お気軽にご連絡ください。
●会員向けの購読依頼
まとめサイト担当:comment_x (at) arm-tech.jp
●電動化およびエネルギー関連の商品・サービス、電池戦略に関するご相談
大木:Hideki.Oki (at) arm-tech.jp

25 5月 2019

【ニュース】離島の再エネ活用を後押しするハイブリッド蓄電池、中国電力が実証運用で成果 – スマートジャパン

・中国電力が島根県の隠岐諸島で実施してきたハイブリッド蓄電システムの実証を完了。
・複数種類の蓄電池を組み合わせて運用することで、再エネの出力変動を吸収し、電力系統の安定化に寄与することを検証できたという。
・設備はNAS電池(出力4200kW、容量2万5200kWh)リチウムイオン電池(2000kW、700kWh)およびエネルギー・マネジメント・システム(EMS)一式他で、工事費は約25億円。
・2019年3月末時点で約8000kW導入されているが、短周期と長周期のそれぞれの変動に対して、リチウムイオン電池とNAS電池の協調制御は良好であり、系統周波数が管理目標値以内に収まっていること(電力の供給安定性が向上)を成果として確認した。
<元記事>https://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1905/23/news082.html

中国、四国電力は島々むけにこのような技術開発は必須であろう。個人的にはこのような検証を続けて、競争力のあるサービスとして完成させていただきたい。そして、そのシステムを海外に売り込むような事業展開も視野に入れてもらいたい。鉄道や水道水のインフラ技術の輸出のようなことができたら、面白い。

お気軽にご連絡ください。
●会員向けの購読依頼
まとめサイト担当:comment_x (at) arm-tech.jp
●電動化およびエネルギー関連の商品・サービス、電池戦略に関するご相談
大木:Hideki.Oki (at) arm-tech.jp

12 5月 2019

【ニュース】中国電力、隠岐「ハイブリッド蓄電池」の成果を公表 | 日経 xTECH(クロステック)

・中国電力は、島根県の隠岐諸島に「ハイブリッド蓄電池システム」を設置し、2015年9月から2019年3月31日まで実証を行った。
・島根県西ノ島町に同システムを設置し、天候などの影響を受ける再生可能エネルギーの出力変動対策や蓄電池の効率的な充放電管理・制御技法などに関する技術実証を行った。
・特性の異なる2種類の蓄電池を組み合わせ、短周期の変動はリチウムイオン電池、長周期の変動はNAS電池が吸収する。
・リチウムイオン電池はGSユアサ製(出力2MW、容量700kWh)、NAS電池は日本ガイシ製(出力4.2MW、容量2万5200kWh)、パワーコンディショナー(PCS)は東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用。システム全体の設計・建設は三菱電機が担当した。
・実証の結果、短周期と長周期のそれぞれの変動に対する協調制御は良好であり、系統周波数が管理目標値内に収まっていることを確認した。
・再エネの導入拡大により内燃力発電機で消費する燃料を低減でき、2018年度で約6100tのCO2排出量を削減した。
<元記事>https://tech.nikkeibp.co.jp/dm/atcl/news/16/051012186/
<プロジェクト概要>http://www.energia.co.jp/pr/pamph/pdf/oki-gaiyo.pdf

島々に供給する電力は、小型の火力発電を活用することが多い。この実証試験の成果により、火力発電を用いない様々な選択が可能になったということであろう。
LIBやNAS電池が比較的高入力で設計している。今回の実証試験結果で、耐久年数など見積もっていると思われるが、そこに興味がある。

お気軽にご連絡ください。
●会員向けの購読依頼
まとめサイト担当:comment_x (at) arm-tech.jp
●電動化およびエネルギー関連の商品・サービス、電池戦略に関するご相談
大木:Hideki.Oki (at) arm-tech.jp

27 4月 2019

【ニュース】東電・ホンダ、太陽光活用で連携 蓄電池で需給最適化  :日本経済新聞

・東京電力ホールディングス(HD)は大型蓄電池を使って電力の需給を調整する実験を始める。
・まずホンダと組み、月内に効果を確かめる。売電先の大型蓄電池を使って需給を調整するのは国内では初めてとみられる。
・太陽光などの再生可能エネルギーは天候に発電量が左右され、安定しにくい。
・東電は今後、蓄電池を使わせてもらう企業を増やす構えで、再生エネの有効活用につながりそうだ。
<元記事>https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44262660W9A420C1EA5000/?n_cid=NMAIL007

自動車メーカーの拠点は大抵田舎で広い土地を持っている。また、工場や事業所におけるCO2排出量の管理に積極的に取り組んでいるので、連携する相手としては適切だ。今回はホンダ内の電力供給の調整がメインであろうが、周辺の民家への電力供給も含め検討するのも面白いのではないだろうか。
余談であるが、ソルテックの事業を継続していたらホンダは色々できたのではないだろうか。

お気軽にご連絡ください。
●会員向けの購読依頼
まとめサイト担当:comment_x (at) arm-tech.jp
●電動化およびエネルギー関連の商品・サービス、電池戦略に関するご相談
大木:Hideki.Oki (at) arm-tech.jp

01 4月 2019

【市場予測】家庭用蓄電池市場 2023年に1200億円規模に – 産経ニュース

出典:https://prtimes.jp/

・株式会社日本能率協会総合研究所が提供するMDB Digital Searchでは日本国内の家庭用蓄電池市場を調査し市場規模を推計した。
・2023年度の国内の家庭用蓄電池市場は約1200億円。
・家庭用蓄電池、主にリチウムイオン電池の二次電池本体と充電器やパワーコンディショナーなどを備えたシステム。
・東日本大震災後の2012年に導入のための補助金制度が開始、販売台数が伸びる。
・2019年に太陽光発電の余剰電力買取期間満了が始まることから、家庭用蓄電池を導入の増加が見込まれる。
<元記事>https://www.sankei.com/economy/news/190329/prl1903290444-n1.html

電池市場を比較的ポジティブに見積もる情報会社と比較しても、大きな数字を予測している。
最近、余剰電池力を溜めたものを使ったサービスに着目する企業が出てきている。そのサービスが市場に定着するかが、ポイントだと思う。

お気軽にご連絡ください。
●会員向けの購読依頼
まとめサイト担当:comment_x (at) arm-tech.jp
●電動化およびエネルギー関連の商品・サービス、電池戦略に関するご相談
大木:Hideki.Oki (at) arm-tech.jp

31 3月 2019

【ニュース】太陽光の“卒FIT”53万件をめぐる争奪戦! 電力買い取りと家庭用蓄電システムに商機 (1/3) – スマートジャパン

・卒FIT案件の出現が目前に迫り、新たなビジネスモデルを模索する動きが加速している。10年間の買い取り期間が満了する住宅用太陽光発電設備は、今年だけでも約53万件。そこに生まれるニーズを、どう取り込んでいくのか。各社のアプローチをみた。
・丸紅、NTT、シャープ、三菱電機、ニチコン、エクソルの戦略を紹介。
<元記事>https://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1903/22/news022.html#utm_source=ee-elemb&utm_campaign=20190331