10 5月 2019

【論文紹介】Aqueous Li-ion battery enabled by halogen conversion–intercalation chemistry in graphite | Nature

出典https://www.nature.com/

Nature, 2019. DOI: 10.1038/s41586-019-1175-6
・460 Wh / kgのフルセルエネルギー密度で4V級の水系リチウムイオン電池を実証。
・正極にグラファイトとLiBr/LiClの複合電極を用いて、高濃度水系電解液「water-in-salt」、負極にもグラファイトを組み合わせた。
・正極反応では、臭化物イオンと塩化物イオンが酸化されてグラファイトにインターカレートされる。
・この反応は正極のエネルギー密度を970 Wh / kgに高められる。
・非常の高いエネルギー密度を水系電解液で達成したが、サイクル寿命、使用温度範囲には課題がある。
<元記事>https://www.nature.com/articles/s41586-019-1175-6

日本やアメリカなどではフッ素イオンに注目していた。活物質との相互作用が強く充放電させるのに様々な工夫をしていた。一方、この論文はイオン自体を変えることでこのような成果に至った。
製品になるかどうかは置いておいて、固定概念に縛られることがない発想が中国で増えてきたように感じる。新しい電気化学デバイスが生まれるかもしれない。

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13 3月 2019

【論文紹介】Advances and issues in developing salt-concentrated battery electrolytes | Nature Energy

出典:https://media.springernature.com/

Nature Energy; DOI:10.1038/s41560-019-0336-z
・濃厚電解液についての総説。
・従来のイオン伝導度を優先した濃度固定での設計変数は塩と溶媒の組み合わせ(2次元探索)に限定されていたが、2014年濃度を設計変数に 加える(3次元探索)ことで引き起こされる配位構造の変調が、「溶媒種によらず保護被膜形成 能を大幅に高める」ことが見いだされ、これまで盲点となっていた中・高濃度領域における電解 液開発が集中的に行われた。
・濃厚電解液は、超高速充放電、5 V 級高電圧耐性、消火機能、長期安定動作といった従来得 られなかった大きな付加価値は、先進蓄電池の開発と社会実装を加速する原動力になり得ると期 待されている。
<元記事>https://www.nature.com/articles/s41560-019-0336-z
<プレスリリース>http://www.t.u-tokyo.ac.jp/shared/press/data/setnws_201903121435159440666926_950449.pdf

新しい材料の創出や原理現象に関する進展はアカデミック領域の支援無くして発展はない。一方で、電池という複数の材料の組み合わせであり生産技術なども重要で使われ方も多様化しているデバイスの進展は、一つの材料から予測するのは危険である。ここ20年を振り返ってみると、多くのミスリードがあったことがわかる。

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18 4月 2018

【論文紹介】Highly reversible zinc metal anode for aqueous batteries | Nature Materials

出展:https://www.nature.com/

Nature Materials (2018);doi:10.1038/s41563-018-0063-z
・亜鉛金属電池の高効率、高耐久化について。
・高濃度電解液(Water-in-salt)を用いることで、クーロン効率がほぼ100%で亜鉛をデンドライト形成無しで析出溶解可能であることを確認。
・LiMn2O4正極と組み合わせることで180Wh/kgのエネルギー密度で4000サイクル後に80%の容量を保持。
・空気正極と組み合わせることで、300Wh/kgのエネルギー密度で200サイクル以上繰り返すことができた。
<元記事>https://www.nature.com/articles/s41563-018-0063-z

16 4月 2018

【論文紹介】Cathodically Stable Li-O2 Battery Operations Using Water-in-Salt Electrolyte

出典:https://www.sciencedirect.com/

Chem Available online 12 April 2018;https://doi.org/10.1016/j.chempr.2018.02.015
・高濃度水系電解液(Water-in-salt)を用いることでリチウム空気電池が安定して駆動できるという報告。
・これまでの報告のように、Water-in-saltの場合、系内の水は全てイオンと水和した状態であり、Li<sub>2</sub>O<sub>2</sub>初め他の酸素種との反応が生じない。
・LiTFSIの高濃度の水溶液をリチウム空気電池に用いることで、安定して300サイクルの充放電が可能となる。
<元記事>https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2451929418300767

01 4月 2018

【論文紹介】High‐Voltage Lithium‐Metal Batteries Enabled by Localized High‐Concentration Electrolytes – Chen – – Advanced Materials

Advanced Materials doi: 10.1002/adma.201706102
・デンドライトフリーなリチウム金属電池に関する報告。
・リチウム金属電池用の電解液として高濃度電解液が金属負極と電解質界面の安定性を高めるとして報告されているが、高濃度電解液は、電解液粘度を高め、イオン伝導度が低下する。また、コスト的にも不利であった。
・本報告は、高濃度電解液をフッ素系希釈剤(bis(2,2,2‐trifluoroethyl) ether)で希釈することで、高濃度電解液がクラスター化し、局在化した状態になる。
・この電解液は、塩は溶媒全体としては低濃度、低コスト、低粘度、高イオン導電性、および良好な濡れ性を示した。
・NMC333正極と組み合わせたリチウム金属電池は700サイクル後に80%以上の容量維持率を示した。
<元記事>https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/adma.201706102⇒リンク切れ

05 2月 2018

【論文紹介(オープンアクセス)】Highly Fluorinated Interphases Enable High-Voltage Li-Metal Batteries – ScienceDirect

出展:https://www.sciencedirect.com/

Chem Volume 4, Issue 1, 11 January 2018, Pages 174-185, https://doi.org/10.1016/j.chempr.2017.10.017
・LiFSIの高濃度電解液を用いることでリチウム金属電池のデンドライト形成を抑制し、耐久性を向上させた。
・炭酸塩電解液(ジメチルカーボネート[DMC]、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート/ DMC)のLiFSI濃度を10Mに増加させた。
・これにより、Li金属表面、及び正極のNMC(622)表面上にLiF及びFリッチなSEIを形成し、これがリチウムデンドライトの成長を抑制する。
・このLiメタル/NMC(622)フルセルは、4.6Vの上限電圧で100サイクル後に86%の容量を維持した。
<元記事>https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S245192941730445X?via=ihub

31 1月 2018

【論文紹介】Microscopic Formation Mechanism of Solid Electrolyte Interphase Film in Lithium-Ion Batteries with Highly Concentrated Electrolyte

J. Phys. Chem. C, Just Accepted Manuscript ; DOI: 10.1021/acs.jpcc.7b11650
・高濃度電解液の使用は、安定なSEI被膜の形成を促進し、電池性能を向上させる結果が報告されているが、そのSEI形成メカニズムの解明を試みた。
・膜形成機構を調査するため、レッドムーン法 (a hybrid Monte Carlo (MC)/molecular dynamics (MD) reaction method)を用いて、アセトニトリルベースの電解液での反応シミュレーションを行った。
・その結果、高濃度電解液中で形成されたSEI膜組成は主として、塩の還元による反応生成物であった。これは、これまでの実験結果に一致する。
・そして、安定したSEI膜は、1)還元生成物の拡散移動、2)Li塩ベースのパッシベーション膜の形成、3)溶媒ベースのフィルム層の形成という段階的に形成されることが明らかとなった。
<元記事>http://pubs.acs.org/doi/pdf/10.1021/acs.jpcc.7b11650

11 1月 2018

【論文紹介】A High-Voltage Aqueous Electrolyte for Sodium-Ion Batteries

出典:http://pubs.acs.org/

ACS Energy Lett., 2017, 2 (9), pp 2005–2006 DOI: 10.1021/acsenergylett.7b00623
・LiBで報告されているような、sodium bis(fluorosulfonyl)imide) (NaFSI)の高濃度水溶液を用いることで、2.6Vの電位窓を有するナトリウムイオン電池用水系電解液を開発。
<元記事>http://pubs.acs.org/doi/10.1021/acsenergylett.7b00623

11 1月 2018

【ニュース】東京理科大、容量低下抑える電解液 カリウムイオン電池  :日本経済新聞

・東京理科大学の駒場慎一教授と大学院生の保坂知宙さんは次世代の蓄電池のひとつとして期待される「カリウムイオン電池」の容量低下を抑えるイオン濃度が高い電解液を開発した。
・研究チームはカリウムイオン電池の電極材料を開発していたが、充放電を繰り返すと劣化して容量が低下する問題があった。そのため、イオンの濃度が高い「濃厚電解液」を開発した。
・正極に使えるプルシアンブルーと呼ぶ材料で充放電を約300回繰り返すと、容量を95%維持できた。通常は急速に容量が低下するという。負極材料に使う黒鉛はほとんど劣化せず、ほぼ100%の容量を保っていることが分かった。
・現在は昭和電工と協力して研究を進めている。今後、劣化をさらに抑えられる電解液を開発して電池を試作し、実用化を目指す。
<元記事>https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25464140Z00C18A1X11000/