29 8月 2018

【論文紹介】A LiPO2F2/LiFSI dual-salt electrolyte enabled stable cycling of lithium metal batteries

出典:https://www.sciencedirect.com/

Journal of Power Sources, Volume 400, Pages 449-456 doi: 10.1016/j.jpowsour.2018.08.059
・Li金属電池の高クーロン効率と長期サイクル安定性を達成するため、リチウムジフルオロホスフェート(LiPO2F2)とリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)を1:1で混合したdual-salt electrolyteを提案。
・これまで、リチウム金属電池のサイクル安定性が、SEI層に含まれるLixPOyFzによって大幅に強化され得ることはわかっていたが、そのイオン伝導性の低さから電解質塩としては不適であった。
・そこで、イオン伝導性が高くLi金属との相性の良いLiFSIを組み合わせたところ、Li金属電池の高クーロン効率と長期サイクル安定性を両立することを試みた。
・結果、1M LiPO2F2と1M LiFSIを1,2-ジメトキシエタンに電解液として使用すると、1.0mAhの容量で1mAで300サイクル以上Li / Cuセルをサイクルさせることを実証した。
<元記事>https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0378775318309182?via=ihub

30 7月 2018

【ニュース】中国 科達石炭化学研究院 純炭負極材料、EVの航続距離を600キロに_中国網_日本語

・中国科達石炭化学研究院はこのほど、純炭を主成分とする大容量・高密度リチウムバッテリー用特殊炭素系負極材料を開発したと発表した。
・同材料を用いる新型EV用リチウムバッテリーの試験生産が、成都南光新エネルギー公司で正式に始まった。
・実験によると、この新型負極材料の容量は2200mAh/gに達し、負極の圧縮密度は2.0g/cm3以上に達する。正極に3元材料のコバルト酸リチウムを用いることで、リチウムバッテリーの質量エネルギー密度は350Wh/kg以上に達する。
・また、新材料を用いるリチウムバッテリーの充電時間は15分以内であり、従来のバッテリーでは不可能なことだ。試験において、新材料バッテリーは充電中も使用中も常温を維持した、とのこと。
<元記事>http://japanese.china.org.cn/business/txt/2018-07/29/content_57340707.htm

24 7月 2018

【論文紹介】High-performance All-Solid-State Li-Se Batteries Induced by Sulfide Electrolyte

出典:http://bioage.typepad.com/

Energy & Environmental Science doi: 10.1039/C8EE01621F
・Western Ontario大学の研究者らは、負極にLi-Sn合金、正極にSe-Li3PS4-C複合体、電解質にLi3PS4を用いた全固体電池を提案。
・LiS電池の正極のSに比べてSeは高い電気伝導度を有する。加えて、Seは電解質/正極剤の界面のリチウムイオンの伝導度が1.4 x 10-5S/cmと高い。
・今回、この全固体電池は652mAh/gの高い可逆容量、サイクル時の良好な容量保持を実証した。
<元記事>http://pubs.rsc.org/en/Content/ArticleLanding/2018/EE/C8EE01621F#!divAbstract

20 7月 2018

【論文紹介】Nucleation of dislocations and their dynamics in layered oxide cathode materials during battery charging | Nature Energy

出典:https://www.nature.com/

Nature Energy doi: 10.1038/s41560-018-0184-2
・カリフォルニア大学サンディエゴ校のチームが、リチウムリッチ層状酸化物正極(LRLO)の課題である電圧低下の原因について、そのメカニズム解明を行った。
・オペランドの3次元ブラッグコヒーレント回折イメージングを用いて、充電中のLRLOナノ粒子中の格子欠陥を直接観測した。
・結果、LRLOの構造における欠陥の発生と欠陥の蓄積が電圧消失の起源であることを明らかにした。
・そしてそれは可逆的であり、電圧減衰した活物質を熱処理してバルク構造の欠陥を取り除くことで電圧を回復できることを実証した。
・この再生手法はスケーラブルではないが、LRLOの電圧減衰が可逆的であり、酸素のレドックスを利用する活物質の設計のための新たな知見として有用であることを確認した。
<元記事>https://www.nature.com/articles/s41560-018-0184-2

18 7月 2018

【論文紹介】Non-flammable electrolyte enables Li-metal batteries with aggressive cathode chemistries

出典:https://www.nature.com/

Nature Nanotechnology doi: 10.1038/s41565-018-0183-2
・リチウム金属の低電位と、LiCoPF4等の高電位正極を安定して用いることができる不燃性電解液。
・fluoroethylene carbonate(FEC)/3,3, 3-fluoroethylmethyl carbonate(FEMC)/1,1,2,2-tetrafluoroethyl-2′,2′, 2′-trifluoroethyl ether(HFE) (FEC:FEMC:HFE, 2:6:2 by weight)の組成の電解液を用いた。
・この電解液はリチウムデンドライトの成長を抑制し、高クーロン効率でリチウムの析出溶解を可能にする。
・正極側では5〜10nm厚の中間層を形成するため、NMC811およびLCP正極でそれぞれ99.93%,98.81%のクーロン効率で充放電可能。
・Li/NMC811、Li/LCPのフルセルでは1000サイクル後に90%以上の容量を維持することを確認。
<元記事>https://www.nature.com/articles/s41565-018-0183-2

15 7月 2018

【ニュース】ノルウェーの研究者、リチウムイオン電池のブレークスルー | CleanTechnica

・ノルウェーのエネルギー技術省(IFE)の研究者が、リチウムイオン電池のアノードで一般的に使用されているグラファイトをシリコンで代替する方法を完成させたと発表。
・研究者らは、シリコンを他の元素と混合して安定で長時間持続するアノードを作り、従来のグラファイトアノードの3〜5倍の容量を持つ方法を見出したという。
・現在、Kjeller Innovationでは、このIFEの研究成果を商業化するために活動しており、この新技術はすでに材料メーカーと電池メーカーの両方でテストされているところだ。
<元記事>https://cleantechnica.com/2018/07/12/researchers-in-norway-claim-lithium-ion-battery-breakthrough/

16 6月 2018

【論文紹介】High energy-density and reversibility of iron fluoride cathode enabled via an intercalation-extrusion reaction

出典:https://www.nature.com/

Nature Communicationsvolume 9, Article number: 2324 (2018) 、doi: 10.1038/s41467-018-04476-2
・インターカレーション/コンバージョン反応により高い容量を示すフッ化鉄を元素置換することで充放電の可逆性を高めた。
・フッ化鉄中へカチオンであるコバルトとアニオンである酸素を共ドーピングしたナノロッドを作製した。
・カチオンとアニオンを共ドーピングすることで、熱力学的にコンバージョン反応電位を低下させ、充放電の可逆性を高められる。
・結果として、この材料は1サイクルあたりの劣化率が0.03%で、100Wh/kgの可逆容量を示した。
<元記事>https://www.nature.com/articles/s41467-018-04476-2

12 6月 2018

【論文紹介】Multielectron‐Transfer‐based Rechargeable Energy Storage of Two‐Dimensional Coordination Frameworks with Non‐Innocent Ligands

出典:http://www.spring8.or.jp/

Angewandte Chemie International Edition;https://doi.org/10.1002/anie.201802521
・NIMS、東大、理化学研究所、京都工芸繊維大学のプレスリリース”物質・材料研究機構、結晶構造を自在制御できるエネルギー貯蔵を発見”の元論文。
・二次元(2D)配位ネットワークからなる金属 – 有機構造体(MOF)類似体の金属導電性ビス(ジイミノ)ニッケル構造体(NiDI)は、カチオンとアニオンの両方を使用するエネルギー貯蔵原理を有することを確認。
・この物質を正極活物質とし、リチウム金属を負極としたコインセルを作製し充放電試験(4)を行った結果(図2a)、NiDIは3つ以上の酸化状態を安定して取り得ることを、世界で初めて発見。
・NiDIは電流密度10 mA/gにおいて155 mAh/gという特性容量を確認。
・さらに、充放電を300サイクル繰り返した後も初期のサイクルの容量の80%程を維持しており、配位構造体としては高寿命なエネルギー貯蔵材料であることが分かった。
<論文>https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/anie.201802521
<プレスリリース>http://www.spring8.or.jp/ja/news_publications/press_release/2018/180531/

04 6月 2018

【論文紹介】Interplay of cation and anion redox in Li4Mn2O5 cathode material and prediction of improved Li4(Mn,M)2O5 electrodes for Li-ion batteries

出典:http://advances.sciencemag.org/

Science Advances 18 May 2018:Vol. 4, no. 5, eaao6754;DOI: 10.1126/sciadv.aao6754
・近年報告された、350mAh/gの高い放電容量を示すLi4Mn2O5について、第1原理密度汎関数理論(DFT)計算を用いて放電メカニズムの解明を行った。
・その結果、Li4Mn2O5は脱リチオ化プロセス中に、カチオンとアニオンのレドックス反応の複雑な相互作用を含む三段階反応経路を介して起こることを見出した。
(i)初期金属酸化物、Mn3+→Mn4+(LixMn2O5、 4> x> 2)。
(ii)続いてアニオン酸化、O2-→O1-(2> x> 1)。
(iii)最後に、さらなる金属酸化、Mn4+→Mn5+(1> x> 0)。
この最後のステップは、元の八面体サイトから隣接する四面体サイトへのMnの移動を生じ、可逆的な充放電サイクルに対する運動障壁となる。
<元記事>http://advances.sciencemag.org/content/4/5/eaao6754

26 4月 2018

【論文紹介】A highly stabilized nickel-rich cathode material by nanoscale epitaxy control for high-energy lithium-ion batteries

出典:http://pubs.rsc.org/

Energy Environ. Sci., 2018, Advance Article ;DOI:10.1039/C8EE00155C
・ニッケルリッチ正極材料の表面改質は、その構造的/熱的安定性を大幅に向上させられるが、
・今回、LiNi0.8Co0.1Mg0.1O2表面からNi2+が溶出し、そしてそれが黒鉛負極上でNi金属粒子を形成する際に負極のSEI層が劣化することが明らかとなった。
・この知見に基いて、Niリッチ正極の構造堅牢性を高めるために、エピタキシャル構造を有するナノ構造安定剤を合成した。
・これによって正極表面を改質することでサイクル中におけるニッケル欠陥が大幅に抑制されることを確認し、また、それにより、負極SEI層がサイクル後においても緻密な構造を維持する。
<元記事>http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2018/ee/c8ee00155c#!divAbstract