11 3月

【論文紹介】A complex hydride lithium superionic conductor for high-energy-density all-solid-state lithium metal batteries | Nature Communications

出典:https://media.springernature.com/

Nature Communicationsvolume 10, Article number: 1081 (2019)
・東北大学のプレスリリース”新たなリチウム超イオン伝導材料を開発— 全固体電池の高エネルギー密度化を一気に加速 —”の元論文。
・錯体水素化物の錯イオン自体の不規則性を高めることで、室温でのリチウム超イオン伝導を実現。
・開発した錯体水素化物リチウムイオン伝導材料 0.7Li(CB9H10)−0.3Li(CB11H12)を詳しく調べた結果、 25 °Cで6.7 mS/cmのリチウムイオ ン伝導率が得られた。
・0.7Li(CB9H10)−0.3Li(CB11H12)はリチウム金属に対する安定性を融資、リチウム金属との界面抵抗はこれまでで最も低い 0.78 Ω cm2であった。
・この電解質とリチウム金属を用いたでんちは、50 °Cにおいて1/3Cのレートで、2500 Wh kg−1のエネルギー密度を実証した。
<元記事>https://www.nature.com/articles/s41467-019-09061-9
<東北大プレスリリース>https://www.tohoku.ac.jp/japanese/tohokuuniv_press_20190305_01_lithium_web_01.pdf

なんで高エネルギー密度化が加速されるかは理解できないが、学術的には面白い要素が多分にあるのではないだろうか。
このような軽い骨格を持った材料と比較的重い骨格を持った硫化物とのイオン伝導メカニズムの比較をすることで、イオン伝導の理解が深められる気がする。

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22 1月

【論文紹介】セパレータから見たリチウムイオン電池(LIB)の 課題と展望(Part 1) ~現行及び先進 LIB(液系)セパレータ技術の現況と課題~

繊維学会誌 第75巻 第 1 号 (2019)
・セパレータメーカとその特徴。
・車載用セパレータの市場規模。
・現行及び先進 LIB(液系) セパレータの製造技術
・全固体 LIB における 固体電解質セパレータ
<元記事>https://www.jstage.jst.go.jp/article/fiber/75/1/75_P-42/_pdf/-char/en

セパレーターは日本企業が得意な分野の一つで、電池に必要とされる性能を決めるのに必ず検討が必要である。
革新電池では、活物質電解質が注目されることが多いが、新しい機能を持ったセパレーターが電池の革新を導くようなことがあるかもしれない。

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19 1月

【ニュース】三井金属、固体電解質で新工場 | 日刊産業新聞

・三井金属は、全固体リチウムイオン電池(LiB)向けの高性能固体電解質を製造する新工場を設立する方針。
・現在は研究所のパイロットプラントでサンプルを製造しているが、今後は車載用LiB向けなどで大口の引き合いが増えることを見越し、量産設備に準じる大型パイロットプラントを立ち上げる。
・すでに工場設計や設備選定を進めており、投資計画を2019年度予算にも盛り込む予定。
<元記事>https://www.japanmetal.com/news-h2019011786112.html

三井金属の工場投資判断の背景に興味がある。過去の電池生産や電池技術を俯瞰できない材料メーカーが自動車メーカーやコンサルの予測を信じて失敗した事例がいくつかある。予測がずれることは問題ではなく、その予測を他人任せにすることが問題だと思う。

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09 1月

【論文紹介】Recent Advances in Energy Chemistry between Solid-State Electrolyte and Safe Lithium-Metal Anodes – ScienceDirect

出典:https://ars.els-cdn.com/

Chem Available online 3 January 2019; doi: 10.1016/j.chempr.2018.12.002
・全固体リチウム金属電池に関するのレビュー論文。
・グラファイトの10倍近い比容量をもつリチウム金属は、非水系電解液よりも高い安全性を示す固体電解質との相性が良いとされているが、デンドライトの問題や、固体-固体接触界面の問題など、多くの課題を抱えている。
・リチウム金属、固体電解質のそれぞれの課題ではなく、これらを組み合わせた際に生じる課題と、近年のそれらのアプローチがまとめられている。
・「素晴らしい見通しを持っているが、 実際には克服すべき多くの障壁がある。」と結論づけている。
<元記事>https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2451929418305412?via=ihub


◯解説:
30年以上前から固体電解質とLi金属の組み合わせの研究は行われている。入力(充電)の電流が低い場合はデンドライドは生成しにくいが、高くすると生成してしまう。
実用的な電流を流した時にどうなるのかが重要なポイントの一つではないだろうか。

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22 12月

【論文紹介】Lithium phosphorus oxynitride as an efficient protective layer on lithium metal anodes for advanced lithium-sulfur batteries

出典:https://ars.els-cdn.com/

Energy Storage Materials doi: 10.1016/j.ensm.2018.08.010
・LiS電池のリチウム金属負極の保護剤として固体電解質LiPONを用いた。
・LiPONで金属負極を保護することで、ポリスルフィドのシャトル(金属極での還元)とリチウムデンドライトの成長を抑制できることを確認。
・硫黄目付量7mg/cm2で300Wh/kgのエネルギー密度、120サイクル以上に渡って91%の安定したクーロン効率を示すLiS電池を作製できた。
<元記事>https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S240582971830792X?via=ihub


◯解説:
LIBのSEIもそうであるが、保護膜は使用したり時間が経つと劣化する。化学反応が劣化要因の場合、その劣化を完全に防ぐことはできない。なので、その劣化が商品を保証したい期間中に不具合を出すようなことがないように制御できるかを見極めるのが重要である。
今回の研究成果もLIS電池の商品性を向上されるのに寄与すると思われる。その向上の程度は市場の要求を満足するものなのだろうか?論文からはなかなか見積もるのは難しいが、興味がある。

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19 12月

【ニュース】GSアライアンス株式会社が全固体型リチウムイオン電池用固体電解質のサンプル出荷開始 – SankeiBiz

・GSアライアンス株式会社(Green Science Alliance Co., Ltd.:環境、エネルギー分野の先端材料を研究開発、製造販売する化学会社)は、全固体型リチウムイオン電池用固体電解質 ガーネット型 Li7La3Zr2O12(LLZO)をサンプル出荷開始すると発表。
・GSアライアンスは空気中での安定性、また生産の簡易性の観点から酸化物系に注目。
・特にLLZOは理論上、室温で10-4から10-3 Scm-1の高い導電率を示し、酸化物系固体電解質で唯一 Li金属に対して安定な材料。
・純粋なLLZOは導電率が低いが、今回GSアライアンスでは、少量のAlをドープ(固溶)し、高イオン伝導相である立方晶を安定化させたAl-doped LLZOを開発し、さらに高いイオン導電性を示す立方晶系が合成でき安定化させることに成功した。
<元記事>http://www.sankeibiz.jp/business/news/181218/prl1812181033180-n1.htm


◯解説:
LLZOを使った電池を作るのには多くの課題がある。この材料を購入したから電池がすぐに作れるわけではない。
この材料は村田などが使用している固体電解質に比べて、さらに電池化が難しい。
(そのハードルが低いのが硫化物の固体電解質である。)
今回の成果によって市場が開けるというよりは、開発しているプレーヤーの材料合成の工程を負担する事業ができるるようになったというのが現実的であろう。

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20 10月

【ニュース】ドイツ BMBF €16M を拠出して全固体電池の研究開発のためのマルチ機関クラスター”FestBatt”発足- Green Car Congress

・ドイツの教育研究省(BMBF)は、固体電池の基礎研究を促進するために、€16M を拠出してFestBattという新たな機関クラスターを立ち上げた。
・FestBattは、Gießen大学(JLU)のJürgenJanek教授がコーディネートし、ヘルムホルツ協会とフラウンホーファー協会の大学や研究センターを含む固体電解質と固体電池の研究を行っているすべてのドイツ機関の取り組みをまとめたもので、14の科学機関が参加している。
・FestBattは、3つの材料と2つのプロセスのプラットフォームの5つの共同プロジェクトで構成されている。
・応用材料研究所(IAM)のMichael Hoffmann教授は酸化物系、カールスルーエ工科大学(KIT)と高分子化学研究所(ITCP)のPatrickThéato教授らはポリマーベースの固体電解質を開発している。
<元記事>https://www.greencarcongress.com/2018/10/20181018-festbatt.html

<X’s EYE> 
◯解説:
世界的に固体とつければアカデミックの予算が取りやすい環境にある。悪くいえばお金を取るためのキーワードである。過去類似のワードは「ナノテク」である。企業側は、

   
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09 10月

【論文紹介】Upgrading traditional liquid electrolyte via in situ gelation for future lithium metal batteries | Science Advances

出典:http://advances.sciencemag.org/

Science Advances 05 Oct 2018:Vol. 4, no. 10, eaat5383;DOI: 10.1126/sciadv.aat5383
・リチウム金属電池に関する報告。
・リチウム金属電池を実用化するためには、従来の電解液よりも卑な電位で安定な電解質が必須である。
・しかしながら、リチウム金属に安定な電解質はゲル電解質であったり、固体電解質である場合が多いが、これらは、電解質/活物質の界面の密着性の課題がある。
・本報告は、液体の電解質をその場重合により擬似的な固体電解質とする手法であり、これにより、界面の密着性を向上させつつ、リチウム金属に安定な電解質を提供する。
・このその場重合は一般的に用いられているLiPF6によるエーテル系化合物のカチオンラジカル重合で行う。重合物がエーテル系ポリマーであるため、リチウム金属電位においても安定。
・更に、この疑似固体電解質はポリスルフィドのシャトルを抑制できるため、LiS電池用としても可能であり、NMC622にも安定であり、広範な正極に対応可能である。
<元記事>http://advances.sciencemag.org/content/4/10/eaat5383

<X’s EYE>
◯解説:
全固体電池の研究の多くは、無機材料、特に硫化物の材料に注目されることが多いが、最近、有機材料の報告も増えてきた。また、無機材料と電解液のハイブリッドも同様に増えてきている。最近、ベンチャーの発表もあった。
http://lithiumion.info/myblog/?p=16530
この論文でも触れているように、電解液を固体化することで金属リチウム負極が使えたり、LIS電池の課題を解決できるかもしれない。


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05 9月

【ニュース】EV向け次世代電池を試作 長岡技科大の本間准教授  :日本経済新聞

・長岡技術科学大学の本間剛准教授と日本電気硝子は、正極材にナトリウム系の結晶化ガラスを使う「全固体ナトリウムイオン2次電池」の試作品を開発した。本間准教授に新型電池の特徴や用途などを聞いた。
・「自動車メーカーなどは電極にリチウム、固体電解質に硫化物を使う研究を進めている。今回の電池はレアメタル(希少金属)のリチウムの代わりに、資源が豊富なナトリウムを使い、コストを低減できる。電解質には酸化物を使っており、環境負荷も小さい」
<元記事>https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34925500T00C18A9L21000/

<X’s EYE(X氏コメント)>
ビジネス:
ナトリウムの埋蔵量が多いことから価値を主張しているが、リチウムも十分に多い。 Read More

01 9月

【ニュース】全固体電池へのSi負極の適用、NIMSが道筋示す | 日経 xTECH(クロステック)

・NIMSが5月に発表した”全固体電池向けシリコン負極の高安定動作に成功”のプレスリリースに関する解説記事。
・無機固体電解質を用いて容量減少を抑制し、ナノ構造(具体的には、アモルファス・シリコンを母材とし、そこへナノ多孔構造を導入したシリコン負極膜)化した負極を用いることで機械的な破壊を抑制。
<元記事(有料記事)>https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00001/00916/
<元論文>https://www.nature.com/articles/s42004-018-0026-y

<X’s EYE(X氏コメント)>

ビジネス:
市場価値としては自動車用途や民生用では採用は難しい。 Read More