04 9月 2018

【論文紹介】Quantitative Operando Visualization of Electrochemical Reactions and Li Ions in All-Solid-State Batteries by STEM-EELS with Hyperspectral Image Analyses

出典:https://pubs.acs.org/

Nano Letters, Articles ASAP; 10.1021/acs.nanolett.8b02587
・パナソニックらのプレスリリース”次世代電池内部のリチウムイオンの動きを充放電中に可視化する技術を開発”の元論文。
・走査型透過電子顕微鏡内で全固体リチウムイオン電池を充放電させ、電子エネルギー損失分光法と高度画像解析技術(多変量解析技術)を駆使し、LiCoO2正極内におけるLiイオンの2次元分布を、同一領域で、かつ、定量的に可視化。
・この観察により、LiCoO2正極内では、Liが不均一に分布しており、充放電中のLiイオンの動きにも影響を及ぼしていることが明らかになったた。
・また、固体電解質に近い界面近傍ではLiイオンの濃度が低くなっており、Co3O4が多く混在していることがわかった。
<元論文>https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.nanolett.8b02587
<プレスリリース>https://www.sankei.com/economy/news/180903/prl1809030225-n1.html

<X’s EYE(X氏コメント)>

研究:
全固体電池に期待されている性能の一つが電池の抵抗が小さいことである。 Read More

03 8月 2018

【論文紹介】Operando and three-dimensional visualization of anion depletion and lithium growth by stimulated Raman scattering microscopy

出典:https://www.nature.com/

Nature Communications, 2018; 9 (1) DOI: 10.1038/s41467-018-05289-z
・リチウムデンドライト発生メカニズムの解明を試みた。
・生物医学研究で広く使用されている技術であるSRS(Stimulated Raman Scattering)顕微鏡によって、電解質中のイオン輸送を直接観測した。
・このSRS顕微鏡法は従来のラマン顕微鏡よりも6倍もの速度で、300nmの空間分解能で3D画像を取得することができる。
・その結果、リチウム析出の3つの段階を検出することができた。
1)電極近傍のリチウムイオンの濃度が十分に高い場合、苔上の比較的均一なリチウムが析出。
2)電極表面で部分的にリチウムイオンが不足した際にデンドライトが発生。
3)電極表面に完全にリチウムイオンが欠乏した際に、デンドライトが急速に成長。
・すなわち、電極表面上の部分的なリチウムイオンの欠乏を抑制することでデンドライト成長を抑制できるとの仮設を立て、負極表面に人工SEIを形成させることで、イオンの欠乏を抑制することを試み、これによりデンドライト成長を抑制できることを実証した。
<元記事>https://www.nature.com/articles/s41467-018-05289-z

20 6月 2018

【ニュース】電池を左右する1ナノメートルの世界を解明へ

・全固体電池もリチウムイオン電池も、わずか10億分の1メートル(1ナノメートル)単位の〈界面〉が性能のカギを握る。
・電解質や電極材料という主要材料が注目されがちだが、両者が接する界面をイオンがスムーズに流れなければ狙った性能は出ないからだ。
・これまで見る術のなかった超微細な世界の解明に、異分野から電池業界に入った研究者が光を当て始めた・・・
<元記事>https://newswitch.jp/p/13357

22 5月 2018

【分析技術】産総研:アモルファス相変化記録材料の局所構造をモデル化する技術を開発

・産総研は、アモルファス物質の局所構造を微細な電子線の回折からモデル化する技術を開発した。
・今回開発した手法では、リバースモンテカルロ法という従来はX線回折などの平均構造情報に対するアモルファスのモデル化手法を、極微細な電子線の回折を測定するオングストロームビーム電子回折法に適用した。
・今回は光ディスク等の相変化記録材料の局所構造をモデル化したが、基本的にアモルファス構造であればどのような材料にも適用できる。
・今後は、今回開発した手法を、リチウムイオン電池の電極材料などの他のアモルファス材料にも応用してアモルファス物質の構造と特性の相関を明らかにしていく。
<元記事>http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2018/pr20180519/pr20180519.html

04 5月 2018

【論文紹介】Rechargeable lithium-ion cell state of charge and defect detection by in-situ inside-out magnetic resonance imaging | Nature Communications

出典:https://www.nature.com/

Nature Communicationsvolume 9, Article number: 1776 (2018);doi:10.1038/s41467-018-04192-x
・ニューヨーク大学の研究らは、MRI技術を基にして、LiBの充電状態や欠陥を非破壊で検出する手法を開発した。
・この方法は、セル内の小さな誘起磁場変化を測定することでセル内部の磁化率の変化を観察する。
・電極材料へのリチウム取り込みのレベルや、電池組み立て時のコンタミや電極の折り曲がりなどの欠陥を非破壊で検出できる。
・特に磁化率の変化はNMCたLCOで顕著に観察でき、正極の充電状態を非破壊で観察できる。
<元記事>https://www.nature.com/articles/s41467-018-04192-x

26 4月 2018

【分析技術】超高速MAS固体NMRによるLIB正極材の解析2 -MATPASS法を用いたSSBフリー7Liスペクトル-  日本電子株式会社 アプリケーションノート

・NMRはLi原子を直接観測できるため、リチウムイオン電池(LIB)構成材料の化学構造や組成の情報を得る有効な手段であるが、多くのLIB正極材料のLiでは、近接する常磁性イオンによって生じるスピニングサイドバンド(SSB)の影響で解析が困難であった。
・近年Hungらによって開発されたMATPASS (Magic Angle Turning – Phase Adjusted Spinning Sideband)1を超高速MASで用いることで、SSBの影響のない広帯域のNMRスペクトルを短時間で取得出来る。
・ これによりサイクルに伴って生じるカチオンミキシングなど、正極材の構造劣化をリチウム側から観測できる。
<元記事>https://www.jeol.co.jp/applications/detail/1626.html

20 4月 2018

【ニュース】パナソニックが電池開発を効率化する新手法、「自社だけで使いたい」 | 日経 xTECH(クロステック)

出典:http://tech.nikkeibp.co.jp/

・パナソニックは、Li(リチウム)イオン電池の性能を効率的に向上する手法を開発、2018年にも実用化する。
・開発したのは、Liイオン電池の容量密度や充放電速度、寿命などを左右するLiイオンの電池内における材料の動作中の振る舞いを高速かつ高精細に可視化する手法。
・具体的にはEELS(電子エネルギー損失分光) でLiイオン分布の二次元マッピングを行う手法をAIを用いて短時間で行えるようにした。
・電極や電解質でのLiイオン濃度の空間分解能はnmオーダーで、これはX線による従来手法の約100倍と高い。
<元記事>http://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00001/00340/?n_cid=nbpnxt_twbn

02 3月 2018

【論文紹介】Monovalent manganese based anodes and co-solvent electrolyte for stable low-cost high-rate sodium-ion batteries

出展:https://www.nature.com/

Nature Communicationsvolume 9, Article number: 861 (2018);doi:10.1038/s41467-018-03257-1
・低コスト、高レート特性のナトリウムイオン電池の正負極活物質として、マンガンのレドックス対を有するプルシアンブルー類似体を用いた。
・特筆すべきは、軟X線吸収分光法および共鳴非弾性X線散乱によって負極材中に1価のマンガンが存在することを確認した。
・シアノ配位子とマンガン-3d状態との間には強力なハイブリダイゼーションが存在し、電子の移動を容易にするため、5分間で90%の容量を放電できる。
・更に、プルシアンブルー類似体活物質を用いる際に問題となる溶出については、有機 – 水共溶媒を使用することで抑制できた。
・結果として、プルシアンブルー類似体の正負極からなるナトリウムイオンフルセルは、1Cの放電速度で1000サイクル後にも、初期放電容量の95%を保持する。
<元記事>https://www.nature.com/articles/s41467-018-03257-1

17 1月 2018

【論文紹介(オープンアクセス)】Localized concentration reversal of lithium during intercalation into nanoparticles

出典:http://advances.sciencemag.org/

Science Advances 12 Jan 2018: Vol. 4, no. 1, eaao2608 ; DOI: 10.1126/sciadv.aao2608
・充放電中の正極活物質中のリチウムイオン濃度変化に関する新たな知見。
・米国エネルギー省(DOE)のBrookhaven National Laboratoryの研究者らは、LFPナノ粒子を放電しながら、その結晶格子サイズのサブオングストロームの変化をプロービングすることで局所的なリチウムイオンのインターカレーション挙動をリアルタイムで可視化した。
・その結果、放電中にも拘らず、局所的に活物質のリチウムイオン濃度が減少に転じる(反転する)予想外の結果が得られた。
・この反転現象は、構造的に異なる領域が存在し、それが異なる化学ポテンシャル関数を有することに起因する。
<元記事>http://advances.sciencemag.org/content/4/1/eaao2608.full

09 12月 2017

【論文紹介】Quantitative and time-resolved detection of lithium plating on graphite anodes in lithium ion batteries

出典:http://www.sciencedirect.com/

Materials Today, 2017; DOI: 10.1016/j.mattod.2017.11.001
・急速充電中のリチウム析出を検知する方法について。
・リチウムイオン電池におけるリチウム金属めっきの定量検出が可能な初めての技術として、オペランド電子常磁性共鳴(EPR)分光法を用いた。
・本方法は、よく知られている核磁気共鳴(NMR)に似ているが、原子核ではなく電子スピンに焦点を当てている。
・ EPRは、金属リチウムめっきとグラファイト陽極に埋め込まれたリチウムとを区別することができる。
・オペランドEPR分光法は、高速充電手順の最適化、電解質添加物の試験、およびモデル検証に非常に有用である。
<元記事>http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1369702117306752