14 6月 2019

【論文紹介】A Semiliquid Lithium Metal Anode: Joule

出典:https://www.cell.com/

Joule doi: 10.1016/j.joule.2019.05.022
・全固体電池用のリチウム金属負極を半液体状にすることで、固体電解質/負極界面の抵抗を低減した。
・二種の導電性高分子とリチウム金属微粒子を懸濁液として、半液体状のリチウム金属負極(SLMA)を開発した。
・半液体状であるため、全固体電解質と負極との界面は良好に接触し、通常のリチウム金属/固体電解質電池と比較して10倍以上の放電電流が可能となり、且つ、リチウム析出溶解反応の過電圧が減少する。
<元記事>https://www.cell.com/joule/fulltext/S2542-4351(19)30265-X?_returnURL=https://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S254243511930265X?showall=true

Li金属の析出溶解界面を増やすことができたために抵抗が小さくなったということであろうか。
サイクルを回しても初期の形状が継続できるのであれば、リチウム金属を使用するブレイクスルーになるかもしれない。

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14 6月 2019

【ニュース】三桜工業、全固体電池の試作評価 年内にも開始 | 日刊工業新聞 電子版

・三桜工業は2019年内に、次世代電池として期待されている全固体電池の最初の試作を終え、試作評価と市場調査を始める。
・昨秋、全固体電池開発でリードする米国のベンチャー、ソリッド・パワー(コロラド州)に出資したが今後は、自社内でも研究開発を本格化、早期事業化を目指す。
・ソリッド・パワーは全固体電池の研究開発と製造を手がけるベンチャー企業。17年に独BMWと提携し、電気自動車(EV)向けの全固体電池の開発を進めている。
<元記事>https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00520101

EVと表現した時に、内燃機関とのハイブリッドも含んだり含まなかったりする。最近、全固体電池も似たような傾向がある。固体電解質の種類も色々だが、液体と固体のハイブリッドも固体電池に含まれたりする。知らない人には誤解を与える表現が世の中には溢れている。

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10 6月 2019

【論文紹介】Overcoming binder limitations of sheet-type solid-state cathodes using a solvent-free dry-film approach – ScienceDirect

出典:https://ars.els-cdn.com/

Energy Storage Materials, doi: 10.1016/j.ensm.2019.05.033
・フラウンホーファー研究所とサムスン日本研究所が溶媒を用いないドライプロセスで低コストな電池製造プロセスを開発。
・0.1wt%のPTFEバインダーと活物質、固体電解質、導電材を乾式混合し圧延機で処理することでNMC正極板を作製。
・圧延機で高い剪断をかけることでバインダーポリマーがクモの巣状に活物質粒子と決着し、柔軟な自立性電極が作製できる。
・バインダー量が少ないことで、インピーダンスが下がる。
・溶媒を用いずに9cm2サイズの全固体電池を作製したところ、加圧無しで100サイクルの充放電が可能であった。
<元記事>https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2405829719302715?via=ihub

電池の進化というと材料に注目されがちであるが、このようなプロセス探索の研究の方が大きなブレイクスルーを起こす可能性が高いと思う。LIBTECでは既存のLIBプロセスの延長にこだわっているが、それが様々な面で不利になる可能性はあるのではないだろうか。

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09 6月 2019

【ニュース】テラヘルツ波を用いた次世代電池評価装置の開発・商品化事業を加速-電気自動車(EV)などに必要な高性能電池の普及へ- – 国立大学法人 岡山大学

・中国経産局「戦略的基盤技術高度化支援事業」として岡山大学と協和ファインテック株式会社が共同で、テラヘルツ波を用いた次世代電池評価装置の開発・商品化を目指す。
・紀和利彦准教授が独自に開発したテラヘルツ波ケミカル顕微鏡のシーズ技術をもとに、全固体リチウムイオン電池などの内部の電位の様子を可視化する装置を開発する。
・開発する装置は、全固体リチウムイオン電池などの内部の電位の様子を動作下で可視化すること ができる。
・これまで、放射光施設などを使って観測していた情報の一部を、デスク トップサイズの装置で観測することができるようになる。
・これにより、電池の開発期間の大幅短縮が可能になり、電気自動車(EV)の普及加速が期待される。
<元記事>https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id631.html

テラヘルツ波を利用した時間分解の分光は、半導体や磁性体などのダイナミクな物性を評価にするのに利用されている。これを電池に応用するのであろう。空間分解も可能かもしれないが、サンプルの作製が重要になるであろう。実用というよりは、研究向けで電池反応の理解を深めるために活用していく感じであろうか。

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07 6月 2019

【参加報告書】Battery Materials 2019参加報告 EV電池および電池材料(Ni, Co, Li)の市場動向|JOGMEC金属資源情報

・2019年4月10日から12日にかけて、中国・上海においてFastmarkets社主催Battery Materials 2019が開催され、鉱山会社・自動車会社・電池会社・リサーチ会社等から約180名(登録ベース)が参加した。
・正極材のトレンドとしてはLMO(マンガン酸リチウム)やLFP(リン酸鉄)等から航続距離の長いEV電池の原料となる高ニッケルのNMC(ニッケル・マンガン・コバルトの三元系)やNCA(ニッケル系)へのシフトが進むとみられる一方、バス等のEVに対してはLFPも有用であるとの見方が示された。
・2018年10月までの時点で中国において使われたLIBの正極材別の割合はNMC61%、LFP37%、LMO1%、その他1%だった。NMC/NCAはEVやPHEVで、LFPはE-busや近距離移動用乗用車等で用いられる
・中国では2020年にEVメーカーに対する補助金が半減する。その影響で低コストで寿命が長く、安全性にも優れるLFPが再び市場で成長する可能性が高い。
<元記事>http://mric.jogmec.go.jp/reports/current/20190604/113521/

LFPは電池生産工場投資も比較的抑えられる。一方で車両設計で不利な点がある。三元系に比べ容量はもちろんのこと電圧が小さいことである。電圧が小さいと目的の車両電圧にするために使用する電池個数が増えてしまう。
課題が山積みな高電位のLNMOの研究が今も盛んに行われているのは、車両設計上メリットがあるからである。

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05 6月 2019

【ニュース】村田がソニーから買った電池事業 狙うはウエアラブル用全固体:日経ビジネス電子版

・連結の売上高営業利益率が16.9%(2019年3月期)と、電子部品大手の中で断トツの収益性を誇る村田製作所。
・同社の数少ないアキレスけんが、17年にソニーから買収した電池事業だ。
・収益性改善へ、村田製作所が注力する一つが、次世代電池の本命と目される全固体電池だ。
・・TDKやFDKといった電子部品各社が開発を進める全固体電池は、容量やサイズは現行のリチウムイオン電池に比べて小型のものが多い。村田製作所でも「バルクチップ型」と呼んでおり、その電池容量は0.1~0.7mAh(ミリアンペア時)。
<元記事>https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00047/053100002/

ウエアラブルというカテゴリーで具体的な商品イメージがあるのであろうか?この容量でできることは限られている。価格が安ければ色々やりようがあるかもしれない。
電子タグはすでに世の中に定着しているが普及が限定的であったことは、今後商品を検討する上で参考になるのではないだろうか。

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04 6月 2019

【コラム】電気自動車普及で始まる車載用電池の覇権戦争 | 経済界

目次
1 車載用電池で存在感を高める中国
1.1 日本発のリチウムイオン電池技術
1.2 中国のEV市場拡大で状況が一変
2 電気自動車の未来を変える全固体電池をめぐる状況
2.1 液LIBの開発・生産競争が進む
2.2 全個体電池のメリットと課題
2.3 全固体電池実用化で先行するトヨタ自動車
文=ジャーナリスト/永井 隆
<元記事>http://net.keizaikai.co.jp/archives/35713

このような記事を経営層が読んでしまうため、現場が混乱されるのかもしれない。
もちろん技術の現場は、ビジネスとして正しい選択を必ずしもするわけではないので配慮する必要はない。ただ、この手の記事は誰に対しても利益がある気がしない。最近、頻発しているセミナーも似たような性質がある。

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26 5月 2019

【ニュース】全固体電池、量産開始時期は予定通り? でも、まだまだ課題も?【人とくるまのテクノロジー展2019】トヨタ編 | Park blog

・現在、量産化を実現するのに、大きく3つの課題がある。
●耐久性の向上(正負極/固体電解質界面の維持)
●製造方法の確立
●材料のコスト低減
・それぞれ量産化を実現するためには乗り越えるべき大きな課題だが、今回話を聞いた中では、特に製造方法の確立が難しいという。技術的に作れることと、それを製品として量産することはまた別なのである。
・ただし、「役者はそろいつつある状況」であり、早ければあと数年の後には全固体電池の販売が始まるかもしれない。トヨタとパナソニックの合弁会社では、トヨタ車専用に全固体電池を生産するのではなく、広く自動車メーカー全般に販売するとしている。
<元記事>https://jafmate.jp/blog/next-mobility/190523.html

このような記事を書く方は、全固体に何を期待しているのであろうか。これにより達成できる性能や商品を曖昧なまま、突っ走るようなニュースは誰が幸せになるのであろうか、いつも疑問を感じる。
全固体をEVに置き換えても似たような感じがする。

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22 5月 2019

【ニュース】超薄膜, 軽量, しなやかな高分子全固体電池: フリーリチウムイオンにより高伝導化|新潟日報モア

・首都大学東京大学院 都市環境科学研究科 環境応用化学域の川上浩良(かわかみ ひろよし)教授らの研究グループは、分極あるいは極性を持つ高分子(PVDF, PANなど) にリチウム塩を添加して合成したナノファイバーマット上に、高分子マトリックスで充填したナノファイバー含有複合電解質膜を作製することで、塩添加ナノファイバーの効果により膜内にフリーリチウムイオンが生成され、リチウムイオン伝導性とその輸率が著しく向上することを見出しました。
・この電解質膜を用いれば、現在、有機全固体電池では開発が困難とされている、室温で十分に作動する全固体二次電池を開発することができる。
・本研究成果の一部は、2019年5月29日~31日に大阪府立国際会議場で行われる第68回高分子学会年次大会で発表する。
<元記事>https://www.niigata-nippo.co.jp/sp/release/detail.php?id=201905216612
<もう少し詳細>https://engineer.fabcross.jp/archeive/190522_tmu.html

室温動作すると何が嬉しいかは置いておいて、最近このような電解質成分を複合化する研究をよく目にする。固体電池がブームになると必ずその少し後にブームになる傾向がある。
異種材料界面で特異なイオン伝導を示すことが予測されている。過去のブームではそれを確認する分析手法が乏しかった。近年は分析手法が飛躍的に確信している。ブームで終わらせないためにもメカニズムの追求に取り組んでもらいたい。

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22 5月 2019

【ニュース】Cu/LASGTP界面のイオンの空間電荷層を初観察 – EE Times Japan

・ファインセラミックスセンター(JFCC)と名古屋大学は2019年5月、金属電極とリチウム(Li)イオン伝導性固体電解質の界面に形成される「イオンの空間電荷層」を観察することに初めて成功したと発表した。今回、電子線ホログラフィー技術と位置分解電子エネルギー損失分光法などを用いて可視化した。
・研究グループは今回、高い精度と分解能を実現した電子線ホログラフィー技術、位置分解電子エネルギー損失分光技術および、新たに開発した電子顕微鏡用試料作製(Nano-Shield)技術を組み合わせて実験を行った。
・これらの観察結果から、Cu/LASGTP界面ではLASGTP内のバンド構造が湾曲し、約10nmの領域で1.3Vの電位変化が生じていることが分かった。つまり、界面近傍にLiが滞留することで、Liイオンの空間電荷層が形成されていることを直接確認した。
<元記事>https://eetimes.jp/ee/articles/1905/20/news029.html

静的な界面状態の観察に成功した。動的な現象のメカニズム解明ができれば、理論的に電池特性を向上させる術を提案できるようになる。また、今回は分析しやすい系で評価したと思うが、これを一般化できるような理論を考えていく必要があるであろう。

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