09 1月

【論文紹介】Recent Advances in Energy Chemistry between Solid-State Electrolyte and Safe Lithium-Metal Anodes – ScienceDirect

出典:https://ars.els-cdn.com/

Chem Available online 3 January 2019; doi: 10.1016/j.chempr.2018.12.002
・全固体リチウム金属電池に関するのレビュー論文。
・グラファイトの10倍近い比容量をもつリチウム金属は、非水系電解液よりも高い安全性を示す固体電解質との相性が良いとされているが、デンドライトの問題や、固体-固体接触界面の問題など、多くの課題を抱えている。
・リチウム金属、固体電解質のそれぞれの課題ではなく、これらを組み合わせた際に生じる課題と、近年のそれらのアプローチがまとめられている。
・「素晴らしい見通しを持っているが、 実際には克服すべき多くの障壁がある。」と結論づけている。
<元記事>https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2451929418305412?via=ihub


◯解説:
30年以上前から固体電解質とLi金属の組み合わせの研究は行われている。入力(充電)の電流が低い場合はデンドライドは生成しにくいが、高くすると生成してしまう。
実用的な電流を流した時にどうなるのかが重要なポイントの一つではないだろうか。

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08 1月

【論文紹介】Three-dimensional monolithic corrugated graphene/Ni foam for highly stable and efficient Li metal electrode – ScienceDirect

出典:https://bioage.typepad.com/

Journal of Power Sources Volume 413, Pages 467-475 doi: 10.1016/j.jpowsour.2018.12.075
・リチウム金属電池の金属負極の保護層に関する報告。
・ニッケルフォーム上に三次元モノリシック波形グラフェンを形成した。
・最初のリチウム金属析出中に、リチウムイオンはグラフェンシート端面の境界に挿入される。
・ 次いで、リチウム金属が核形成し、グラフェンシートの下側に成長するため、デンドライト形成を抑制できる。
・さらに、波形グラフェンが人工SEIの機能を果たすことで、カーボネート系電解液の分解を抑制する。
・よって、この三次元モノリシック波形グラフェンを形成したニッケルフォームを用いることで、カーボネート系電解液で1000サイクルにも渡って安定なサイクルを行うことができた。
<元記事>https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0378775318314265?via=ihub


◯解説:
最近、Li金属を使いこなすことに注目が集まっている。電解液やこの研究のように表面修飾する研究が多いように感じる。
この研究は負極フリーも意識しているのであろうか。
海外のベンチャー企業の多くが注目している。実用化するめどがつけば電池容量を飛躍的に向上するのは間違えない。

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19 12月

【ニュース】ヤマダ電機/次世代電池事業のスリーダムと合弁会社設立(2018.12.18)|流通ニュース

・ヤマダ電機は12月17日、次世代電池の設計・開発やこれらを活用したビジネスモデルを展開するスリーダムと合弁会社を設立すると発表
・合弁会社の名称は「ソーシャルモビリティ」で、資本金は1億円、出資比率はヤマダ電機50%、スリーダム50%。
・合弁会社は、そのプラットフォームにおけるサービス業務全般を担い、基本的には、EVとバッテリーの販売を目的とせず、EVとバッテリーのリースにより、エネルギーの使用量に課金するという独自かつ新規のビジネスモデルを展開するという。
<元記事>https://www.ryutsuu.biz/strategy/k121845.html


◯解説:
家電や小型モビリティの電池を共有化して、リース事業することを狙っていると思われる。
ポイントは2つある。出力と耐久性能である。電池を使う商品は出力が大きく異なる。少ない電池の仕様で対応できるかが重要である。電池仕様を増やせば、それだけ事業が難しくなる。
また、リースの場合、電池コストは事業主が持つ。事業性を見積もる際には電池の耐久性能の見極めが鍵である。見極められるには、相当数の試験と知見を重ねる必要がある。それに挑戦するプロジェクトと思われるので期待したい。

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16 11月

【論文紹介】Stable metal battery anodes enabled by polyethylenimine sponge hosts by way of electrokinetic effects | Nature Energy

出典:https://www.nature.com/

Nature Energy doi: 10.1038/s41560-018-0276-z
・三次元架橋ポリマースポンジを用いてデンドライト形成を抑制できることを確認。
・リチウム金属負極ホストとして三次元架橋ポリエチレンイミンからなるリチウムイオン親和性スポンジを開発した。
・高ゼータ電位のスポンジがイオン濃度および電流密度プロファイルを変化させることを示し、高い析出容量および電流密度で、かつ、高いクーロン効率でリチウム金属をデンドライトフリーで析出溶解可能にする。
・さらに、リチウム金属電池のサイクル安定性を商業レベルの電極面積で改善できることを確認。
・また、ナトリウムおよび亜鉛アノードにおいてもデンドライト形成を抑制できることを確認。
<元記事>https://www.nature.com/articles/s41560-018-0276-z

<X’s EYE> 
◯解説:
数年前までは、無機固体電解質で抑制する発表が多かった。ここ最近、このようなゲルやポリマーを活用した発表が多い。金属Li表面をこのようなもので覆うことで効果があるとしたら、無機材料より有機材料の方が効果的であろう。ただ、

   
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12 11月

【論文紹介】Fumed alumina induced gel-like electrolyte for great performance improvement of lithium-sulfur battery

Chem. Commun. doi: 10.1039/C8CC07741J
・リチウムデンドライトを抑制するゲル電解質を合成することで長寿命かつ高出力LiS電池を作成した。
・ゲル電解質は、電解液(EC/DMC/LiPF6)にヒュームドアルミナをフィラーとして8wt%を添加することでゲル化する。
・このヒュームドアルミナ電解質を用いたLiS電池(Li-S@pPAN)に適応するとこで、300サイクル後の容量維持率が95%、10C放電で1C放電の76.5%を維持することを確認した。
<元記事>https://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2018/cc/c8cc07741j#!divAbstract

<X’s EYE>
◯解説:
ゲルというよりは固体成分を入れることで粘性が高くなったような電解液であろうか?
最近、固体と液体(ゲル)を混合させた電解質の発表が増えている。この手法は、30年前から固体電解質が取り上げるたびに定期的に盛り上がる。

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02 11月

【論文紹介】Novel and versatile room temperature ionic liquids for energy storage

出典:https://pubs.rsc.org/

Energy & Environmental Science doi: 10.1039/C8EE02437E
・トヨタ自動車とモナッシュ大の研究チームらは、二次電池の電解質用のボロン系室温イオン液体を開発した。
・新規イオン液体は、ホウ素クラスターでできたcarboraneアニオンと呼ばれる二十面体のサイコロ状イオンであり、還元耐性が高く、かつガラス転移温度が低い。
・これにより、リチウムやマグネシウムの金属電位においても安定している。
<元記事>https://pubs.rsc.org/en/Content/ArticleLanding/2018/EE/C8EE02437E#!divAbstract

<X’s EYE>
◯解説:
イオン液体は一時期安全性を高める材料として研究が盛んに行われていたが最近下火である。燃えにくい、発火する温度が高いというのが必ずしも電池の安全につながらない。詳しく説明すると、


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27 10月

【論文紹介】Suppressing Li Metal Dendrites Through a Solid Li‐Ion Backup Layer – Salvatierra – – Advanced Materials

出典:https://abm-website-assets.s3.amazonaws.com/

Adv. Mater., DOI: 10.1002/adma.201803869
・リチウム金属電池(LiS電池)の急速充電におけるデンドライト発生を抑制するCNT膜についての報告。
・リチウム化マルチウォールカーボンナノチューブ(Li-MWCNT)膜を金属リチウム表面を保護した。
・これにより、大電流時におけるリチウムイオンフラックスの発生を抑制するため、デンドライトを抑制できる。
・Li-MWCNT保護Li金属を用いたLiS電池は約99.9%のクーロン効率で450サイクル以上が可能。
<元記事>https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201803869

<X’s EYE>
◯解説:
リチウム金属を負極に採用することは30年以上前から二次電池電池研究者が取り組んできた。その対策手段の一つが固体電解質であった。
課題は、デンドライト抑制と


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09 10月

【論文紹介】Upgrading traditional liquid electrolyte via in situ gelation for future lithium metal batteries | Science Advances

出典:http://advances.sciencemag.org/

Science Advances 05 Oct 2018:Vol. 4, no. 10, eaat5383;DOI: 10.1126/sciadv.aat5383
・リチウム金属電池に関する報告。
・リチウム金属電池を実用化するためには、従来の電解液よりも卑な電位で安定な電解質が必須である。
・しかしながら、リチウム金属に安定な電解質はゲル電解質であったり、固体電解質である場合が多いが、これらは、電解質/活物質の界面の密着性の課題がある。
・本報告は、液体の電解質をその場重合により擬似的な固体電解質とする手法であり、これにより、界面の密着性を向上させつつ、リチウム金属に安定な電解質を提供する。
・このその場重合は一般的に用いられているLiPF6によるエーテル系化合物のカチオンラジカル重合で行う。重合物がエーテル系ポリマーであるため、リチウム金属電位においても安定。
・更に、この疑似固体電解質はポリスルフィドのシャトルを抑制できるため、LiS電池用としても可能であり、NMC622にも安定であり、広範な正極に対応可能である。
<元記事>http://advances.sciencemag.org/content/4/10/eaat5383

<X’s EYE>
◯解説:
全固体電池の研究の多くは、無機材料、特に硫化物の材料に注目されることが多いが、最近、有機材料の報告も増えてきた。また、無機材料と電解液のハイブリッドも同様に増えてきている。最近、ベンチャーの発表もあった。
http://lithiumion.info/myblog/?p=16530
この論文でも触れているように、電解液を固体化することで金属リチウム負極が使えたり、LIS電池の課題を解決できるかもしれない。


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29 8月

【論文紹介】A LiPO2F2/LiFSI dual-salt electrolyte enabled stable cycling of lithium metal batteries

出典:https://www.sciencedirect.com/

Journal of Power Sources, Volume 400, Pages 449-456 doi: 10.1016/j.jpowsour.2018.08.059
・Li金属電池の高クーロン効率と長期サイクル安定性を達成するため、リチウムジフルオロホスフェート(LiPO2F2)とリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)を1:1で混合したdual-salt electrolyteを提案。
・これまで、リチウム金属電池のサイクル安定性が、SEI層に含まれるLixPOyFzによって大幅に強化され得ることはわかっていたが、そのイオン伝導性の低さから電解質塩としては不適であった。
・そこで、イオン伝導性が高くLi金属との相性の良いLiFSIを組み合わせたところ、Li金属電池の高クーロン効率と長期サイクル安定性を両立することを試みた。
・結果、1M LiPO2F2と1M LiFSIを1,2-ジメトキシエタンに電解液として使用すると、1.0mAhの容量で1mAで300サイクル以上Li / Cuセルをサイクルさせることを実証した。
<元記事>https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0378775318309182?via=ihub

03 8月

【論文紹介】Operando and three-dimensional visualization of anion depletion and lithium growth by stimulated Raman scattering microscopy

出典:https://www.nature.com/

Nature Communications, 2018; 9 (1) DOI: 10.1038/s41467-018-05289-z
・リチウムデンドライト発生メカニズムの解明を試みた。
・生物医学研究で広く使用されている技術であるSRS(Stimulated Raman Scattering)顕微鏡によって、電解質中のイオン輸送を直接観測した。
・このSRS顕微鏡法は従来のラマン顕微鏡よりも6倍もの速度で、300nmの空間分解能で3D画像を取得することができる。
・その結果、リチウム析出の3つの段階を検出することができた。
1)電極近傍のリチウムイオンの濃度が十分に高い場合、苔上の比較的均一なリチウムが析出。
2)電極表面で部分的にリチウムイオンが不足した際にデンドライトが発生。
3)電極表面に完全にリチウムイオンが欠乏した際に、デンドライトが急速に成長。
・すなわち、電極表面上の部分的なリチウムイオンの欠乏を抑制することでデンドライト成長を抑制できるとの仮設を立て、負極表面に人工SEIを形成させることで、イオンの欠乏を抑制することを試み、これによりデンドライト成長を抑制できることを実証した。
<元記事>https://www.nature.com/articles/s41467-018-05289-z