22 3月 2019

【論文紹介】Solid-state polymer electrolytes with in-built fast interfacial transport for secondary lithium batteries | Nature Energy

出典:https://media.springernature.com/

Nature Energy, 2019; DOI: 10.1038/s41560-019-0349-7
・室温において10-3S/cmを達成する高分子固体電解質についての報告。
・ガラスのコップに氷を入れた際、氷は点で接触している。しかしながら、氷の隙間に水を入れて凍らせれば、界面は消滅する。これをヒントにして、セル内部で重合をすることによって作製する高分子固体電解質を提案。
・環状エーテルをセル内に満たし、その後開環重合させることで、活物質界面が密着した全固体電池を作製できる。
・金属負極と組み合わせて作製した全固体ポリマー電池は安定したリチウム金属の析出溶解を繰り返すことができた。
<元記事>https://www.nature.com/articles/s41560-019-0349-7

材料単体でなく電池として性能を向上させる研究は今後重要になるのではないだろうか。材料だけやってあとは企業がなんとかすること、というような表現をたまに目にするが、それは無責任すぎるように思える。
電池全てに固体電解質を採用する必要はない、活物質表面など部分的に採用するのも面白いと思う。

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18 3月 2019

【論文紹介】Detecting Li Dendrites in a Two‐Electrode Battery System

出典:https://abm-website-assets.s3.amazonaws.com/

Advanced Materials.DOI: adma.201807405
・容易にでリチウムデンドライトを検出することができる手法について。
・赤リンを塗工したセパレータを用いて電池を作製。
・デンドライトが成長し、赤リンに触れた瞬間、電池電圧が急激に低下するため、デンドライトショート直前で外部からモニタできる。
・このセパレータによって電池性能への悪影響はないことを確認。
<元記事>https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/adma.201807405

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充放電カーブから電池反応を解析できると研究開発が捗る。一方で、電池内部の反応は均一でない。平均情報の充放電カーブからだと場所の特定が困難である。今回の成果は、その課題を解決できる可能性がある。赤リンを塗布する場所を変えたセパレーターを用意し評価することで、面内方向で析出しやすい場所の特定ができるかもしれない。

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14 3月 2019

【論文紹介】Polymer–inorganic solid–electrolyte interphase for stable lithium metal batteries under lean electrolyte conditions | Nature Materials

出典:https://media.springernature.com/

Nature Materials, 2019; DOI: 10.1038/s41563-019-0305-8
・リチウム金属電池の金属負極表面の保護層として、新規SEIを設計した。
・新規SEIは反応性のリチウム塩ポリマー、フッ化リチウムナノ粒子、酸化グラフェンからなる。
・反応性ポリマーはリチウム金属と反応してリチウム金属表面に爪のように結合し、フッ化リチウムナノ粒子を強固に担持する。
・複合材料中の酸化グラフェンナノシートはリチウムデンドライトの成長を抑制する機械的障壁として機能する。
・これにより、Li/NMCセルが安定してサイクルできることを確認した。
<元記事>https://www.nature.com/articles/s41563-019-0305-8

モバイルや自動車用に使えるかどうかはわからないが、低電流で温度変化がないような環境ではすでに使えるレベルかもしれない。
SEIの設計はLi金属を使いこなす以外にも、既存の電池の耐久性能をあげるのにも寄与することがある。この研究はDOEから予算が出ている。

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21 2月 2019

【ニュース】PolyPlusとSKがリチウム金属電池の共同開発契約を締結- Green Car Congress

・イオン伝導性ガラスセパレータを備えた最初のリチウム金属二次電池の開発を行っているPolyPlus Battery CompanyとSK Innovationは共同開発契約を締結した。
・PolyPlus Battery Companyは、カリフォルニア州バークレーに本社を置き、リチウム硫黄、リチウム空気、リチウム水電池のコア技術である保護リチウム電極(PLE)を発明し、特許を取得している。
<元記事>https://www.greencarcongress.com/2019/02/20190220-polyplus.html

ここ2年ぐらいは、電池ベンチャーへの投資が過熱している。市場に影響するようなものを出せるかは懐疑的であるが、研究リソーセスを有効に使うためにこのような投資をしていくのは有効である。スピードをあげるのにも有効で、固定資産や人員を抱えるリスクも低減できる。

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09 1月 2019

【論文紹介】Recent Advances in Energy Chemistry between Solid-State Electrolyte and Safe Lithium-Metal Anodes – ScienceDirect

出典:https://ars.els-cdn.com/

Chem Available online 3 January 2019; doi: 10.1016/j.chempr.2018.12.002
・全固体リチウム金属電池に関するのレビュー論文。
・グラファイトの10倍近い比容量をもつリチウム金属は、非水系電解液よりも高い安全性を示す固体電解質との相性が良いとされているが、デンドライトの問題や、固体-固体接触界面の問題など、多くの課題を抱えている。
・リチウム金属、固体電解質のそれぞれの課題ではなく、これらを組み合わせた際に生じる課題と、近年のそれらのアプローチがまとめられている。
・「素晴らしい見通しを持っているが、 実際には克服すべき多くの障壁がある。」と結論づけている。
<元記事>https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2451929418305412?via=ihub


◯解説:
30年以上前から固体電解質とLi金属の組み合わせの研究は行われている。入力(充電)の電流が低い場合はデンドライドは生成しにくいが、高くすると生成してしまう。
実用的な電流を流した時にどうなるのかが重要なポイントの一つではないだろうか。

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08 1月 2019

【論文紹介】Three-dimensional monolithic corrugated graphene/Ni foam for highly stable and efficient Li metal electrode – ScienceDirect

出典:https://bioage.typepad.com/

Journal of Power Sources Volume 413, Pages 467-475 doi: 10.1016/j.jpowsour.2018.12.075
・リチウム金属電池の金属負極の保護層に関する報告。
・ニッケルフォーム上に三次元モノリシック波形グラフェンを形成した。
・最初のリチウム金属析出中に、リチウムイオンはグラフェンシート端面の境界に挿入される。
・ 次いで、リチウム金属が核形成し、グラフェンシートの下側に成長するため、デンドライト形成を抑制できる。
・さらに、波形グラフェンが人工SEIの機能を果たすことで、カーボネート系電解液の分解を抑制する。
・よって、この三次元モノリシック波形グラフェンを形成したニッケルフォームを用いることで、カーボネート系電解液で1000サイクルにも渡って安定なサイクルを行うことができた。
<元記事>https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0378775318314265?via=ihub


◯解説:
最近、Li金属を使いこなすことに注目が集まっている。電解液やこの研究のように表面修飾する研究が多いように感じる。
この研究は負極フリーも意識しているのであろうか。
海外のベンチャー企業の多くが注目している。実用化するめどがつけば電池容量を飛躍的に向上するのは間違えない。

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19 12月 2018

【ニュース】ヤマダ電機/次世代電池事業のスリーダムと合弁会社設立(2018.12.18)|流通ニュース

・ヤマダ電機は12月17日、次世代電池の設計・開発やこれらを活用したビジネスモデルを展開するスリーダムと合弁会社を設立すると発表
・合弁会社の名称は「ソーシャルモビリティ」で、資本金は1億円、出資比率はヤマダ電機50%、スリーダム50%。
・合弁会社は、そのプラットフォームにおけるサービス業務全般を担い、基本的には、EVとバッテリーの販売を目的とせず、EVとバッテリーのリースにより、エネルギーの使用量に課金するという独自かつ新規のビジネスモデルを展開するという。
<元記事>https://www.ryutsuu.biz/strategy/k121845.html


◯解説:
家電や小型モビリティの電池を共有化して、リース事業することを狙っていると思われる。
ポイントは2つある。出力と耐久性能である。電池を使う商品は出力が大きく異なる。少ない電池の仕様で対応できるかが重要である。電池仕様を増やせば、それだけ事業が難しくなる。
また、リースの場合、電池コストは事業主が持つ。事業性を見積もる際には電池の耐久性能の見極めが鍵である。見極められるには、相当数の試験と知見を重ねる必要がある。それに挑戦するプロジェクトと思われるので期待したい。

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16 11月 2018

【論文紹介】Stable metal battery anodes enabled by polyethylenimine sponge hosts by way of electrokinetic effects | Nature Energy

出典:https://www.nature.com/

Nature Energy doi: 10.1038/s41560-018-0276-z
・三次元架橋ポリマースポンジを用いてデンドライト形成を抑制できることを確認。
・リチウム金属負極ホストとして三次元架橋ポリエチレンイミンからなるリチウムイオン親和性スポンジを開発した。
・高ゼータ電位のスポンジがイオン濃度および電流密度プロファイルを変化させることを示し、高い析出容量および電流密度で、かつ、高いクーロン効率でリチウム金属をデンドライトフリーで析出溶解可能にする。
・さらに、リチウム金属電池のサイクル安定性を商業レベルの電極面積で改善できることを確認。
・また、ナトリウムおよび亜鉛アノードにおいてもデンドライト形成を抑制できることを確認。
<元記事>https://www.nature.com/articles/s41560-018-0276-z

<X’s EYE> 
◯解説:
数年前までは、無機固体電解質で抑制する発表が多かった。ここ最近、このようなゲルやポリマーを活用した発表が多い。金属Li表面をこのようなもので覆うことで効果があるとしたら、無機材料より有機材料の方が効果的であろう。ただ、

   
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12 11月 2018

【論文紹介】Fumed alumina induced gel-like electrolyte for great performance improvement of lithium-sulfur battery

Chem. Commun. doi: 10.1039/C8CC07741J
・リチウムデンドライトを抑制するゲル電解質を合成することで長寿命かつ高出力LiS電池を作成した。
・ゲル電解質は、電解液(EC/DMC/LiPF6)にヒュームドアルミナをフィラーとして8wt%を添加することでゲル化する。
・このヒュームドアルミナ電解質を用いたLiS電池(Li-S@pPAN)に適応するとこで、300サイクル後の容量維持率が95%、10C放電で1C放電の76.5%を維持することを確認した。
<元記事>https://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2018/cc/c8cc07741j#!divAbstract

<X’s EYE>
◯解説:
ゲルというよりは固体成分を入れることで粘性が高くなったような電解液であろうか?
最近、固体と液体(ゲル)を混合させた電解質の発表が増えている。この手法は、30年前から固体電解質が取り上げるたびに定期的に盛り上がる。

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02 11月 2018

【論文紹介】Novel and versatile room temperature ionic liquids for energy storage

出典:https://pubs.rsc.org/

Energy & Environmental Science doi: 10.1039/C8EE02437E
・トヨタ自動車とモナッシュ大の研究チームらは、二次電池の電解質用のボロン系室温イオン液体を開発した。
・新規イオン液体は、ホウ素クラスターでできたcarboraneアニオンと呼ばれる二十面体のサイコロ状イオンであり、還元耐性が高く、かつガラス転移温度が低い。
・これにより、リチウムやマグネシウムの金属電位においても安定している。
<元記事>https://pubs.rsc.org/en/Content/ArticleLanding/2018/EE/C8EE02437E#!divAbstract

<X’s EYE>
◯解説:
イオン液体は一時期安全性を高める材料として研究が盛んに行われていたが最近下火である。燃えにくい、発火する温度が高いというのが必ずしも電池の安全につながらない。詳しく説明すると、


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