19 10月 2019

【ニュース】東北大ら、白金を使わない酸素還元触媒の作製に成功 ~燃料電池製造の低コスト化に期待 – PC Watch

・東北大学学際科学フロンティア研究所、同材料科学高等研究所、同大学院環境科学研究科、北海道大学電子科学研究所および電気通信大学大学院情報理工学研究科からなる研究グループは、白金を用いない高活性な酸素還元触媒の作製に成功した。
・今回研究グループでは、顔料などに用いられる「鉄フタロシアニン系有機金属錯体」に着目。
・鉄原子を4つの窒素原子で囲んだ金属錯体構造を中心とした生体分子「ヘム」に類似した構造を持っており、中心の鉄原子が触媒活性点として機能する。
・これを炭素材料の表面に単分子状で修飾すると、非常に活性の高い酸素還元反応特性を示すことが分かった。
・さらに、「鉄アザフタロシアニン」を使用することで白金以上に高い触媒活性を示すことを発見。これによって得られた触媒電極は、白金を用いたものと比べて高耐久で、かつメタノール耐性を持つことも分かった。これらの高活性化については、理論的な解析にも成功している。
<元記事>https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1213514.html

自動車用途であれば、車両の回収やリサイクル視点で白金を使いたい。触媒が安価だと、回収率が下がり、リサイクルではなく焼却になってしまう。もし、自動車用途を意識しているのであれば、産業の構造を理解することも重要である。

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09 5月 2019

【論文紹介】DABCOnium: An Efficient and High‐Voltage Stable Singlet Oxygen Quencher for Metal–O2 Cells

出典:https://wol-prod-cdn.literatumonline.com/

Angewandte Chemie International Edition, 2019; DOI: 10.1002/anie.201901869
・リチウム空気電池のレドックスメディエータを不活性化させる原因となる一重項酸素を無害化する手法についての報告。
・空気電池の充放電中に生成される一重項酸素を無害な三重項酸素に変換するクエンチャーとして、DABCOnium(有機窒素化合物DABCOの塩)を用いた。
・これは、これまでに報告されているクエンチャーよりもはるかに酸化に対して耐性があり、リチウム金属デニにも安定な材料である。
・DABCOniumを用いることで、リチウム空気電池の寿命を大幅に改善できる。
・さらに、既存のリチウムイオン電池においても、一重項酸素による劣化を抑制できる。
<元記事>https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/anie.201901869

LIBでも電池性能を向上させるためにこのような添加剤が欠かせない。空気電池においてもこのような研究がきっかけでブレイクスルーが起こるのかもしれない。

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29 1月 2019

【論文紹介】A Stable Lithium–Oxygen Battery Electrolyte Based on Fully Methylated Cyclic Ether

出典:https://bioage.typepad.com/

Angew. Chem. Int. Ed. doi: 10.1002/anie.201812983
・リチウム空気電池用電解液について。
・リチウム金属に安定であるという理由からエーテル系電解質が用いられているが、それらはスーパーオキシドや一重項酸素による水素引き抜き反応を介して劣化する。
・そこで、著者らは水素ををすべてメチル基で置換したメチル化環状エーテル、2,2,4,4,5,5-ヘキサメチル-1,3-ジオキソラン(HMD)を提案した。
・エーテルのアルファ位にいかなる水素原子も持たないため、水素の引き抜き反応を抑制できる。
・結果、HMDを用いたリチウム空気電池は、一般的な1,3-ジオキソラン(DOL)または1,2-ジメトキシエタン(DME)をベースにした電解液を使用した場合の4倍以上の157サイクルまで充放電が可能であった。
<元記事>https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/anie.201812983

空気電池に限らずLi金属を活物質に使用できるよう取り組んでいる研究活動は多い。優れた結果を出すことも重要であるが、そのメカニズム解明は、研究を促進させるためにも重要である。
今回の研究のように仮説とその検証の積み上げていくことで、Li金属の実用化が近くのではないだろうか。

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20 10月 2018

【ニュース】「リチウム空気電池」実用化はソフトバンク流儀で15年前倒し | DG Lab Haus

・ソフトバンク代表取締役副社長兼CTOの宮川潤一氏が、10月16日国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)の成果発表会に登壇。
・この日の講演は「ソフトバンクはなぜ電池開発に乗り出したのか?」と題したもの。
・「10年前に比べてCPU性能は約80倍、メモリーの容量は約32倍、ディスプレイの解像度は約22倍進化した」と述べ、「ところが電池性能は約1.2倍にしか進化していない」
・IoTが今後拡大していくと、IoTでつながる各機器に電源が必要となる。つまり、IoT普及には「電池容量」の問題が避けて通れない。
・ソフトバンクが見据えているのは、携帯電話の電池ではなくその先のIoT時代。
・現在のリチウム電池では200~250Wh/kg(重量エネルギー密度)であり、次世代電池(全固体電池)は500 Wh/kgとされているが、ソフトバンクが目指すものは1,000/kgであり、それが実現できるのがリチウム空気電池だと宮川氏は述べる。
・「われわれの提携を『産学提携』のロールモデルにしたい」
<元記事>https://media.dglab.com/2018/10/19-nimssoftbank-01/

<X’s EYE> 
◯解説:
比較の仕方に違和感を感じる。講演はこれでいいのかもしれないが。
エネルギー密度が重要だと考えているのであれば、手段を空気電池のみに絞ってしまっているのは勿体無い気がする。また、エネルギー密度をあげることも、何か成し遂げたいことの手段の一つであるはず。電池をエネルギー密度だけで語るのは極めて危険である。市場を牽引できる企業であるからこそ、

   
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15 8月 2018

【論文紹介】Microscopic Electrode Processes in the Four-Electron Oxygen Reduction on Highly Active Carbon-Based Electrocatalysts

出典:https://pubs.acs.org/

ACS Catal., 2018, 8, pp 8162–8176, DOI: 10.1021/acscatal.8b01953
・窒化還元炭素(NC)触媒は、酸素還元反応(ORR)における標準的なPt / C触媒に匹敵するPtフリーの代替物として注目されているが、その原理は不明であった。
・今回、NIMSと北海道大学、ドイツ・ウルム大学の国際共同研究チームは、炭素材料が1 at%以下の微量の窒素導入で、燃料電池の鍵である酸素還元反応に対して活性な電極触媒になることを発見し、その活性化の仕組みを説明することに成功。
・吸着されたO<sub>2</sub>の構成とNドーピング含有量の両方が反応経路に敏感に影響を及ぼすことを示唆する結果が得られ、 DFT計算にても、これを支持する結果を確認した。
<元記事>https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acscatal.8b01953

26 6月 2018

【論文紹介】Porous MnO as efficient catalyst towards the decomposition of Li2CO3 in ambient Li-air batteries

出典:https://www.sciencedirect.com/

Electrochimica Acta Volume 280, 1 August 2018, Pages 308-314
・多くのリチウム空気電池の空気正極の研究は純酸素中で行われるが、空気を使用したばあい、空気中の二酸化炭素によりLi2CO3が堆積する。
・今回、酸素還元触媒として多孔質MnOを用いることで、Li2CO3が効率的に分解することがわかった。
・結果として、一般的な炭素正極を用いた場合に比べて、酸素還元過電圧が下がり、長期に渡って維持される。
・MnOがLi2CO3の分解を促進する触媒として作用していることを明らかとした。
<元記事>https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S001346861830937X?_rdoc=1&_fmt=high&_origin=gateway&_docanchor=&md5=b8429449ccfc9c30159a5f9aeaa92ffb&dgcid=raven_sd_recommender_email&ccp=y

02 6月 2018

【論文紹介】NEDO 海外技術情報(平成30年6月1日号) 発行

抜粋
◯NREL が無機薄膜材料の大規模なデータベースを公開
・ NREL が、約 10 年間の研究より作成した無機薄膜材料の大規模な実験データベース、『High Throughput Experimental Materials (HTEM) Database』を一般公開。
◯CFRP リサイクリング:ゴミではなくバッテリーへ
・フラウンホーファー・化学技術研究所(ICT)は、ベルリン国際航空宇宙ショー(ILA)にて、再生炭素 繊維をバッテリーや燃料電池に変換する技術を発表。
◯真のリチウム空気蓄電池を作る新設計
・UIC、カリフォルニア州立大学とアルゴンヌ国立研究所(ANL)が共同で、リチウム空気蓄電池の新設 計を開発。通常の大気環境で 750 充放電サイクル後の作動を実証。
・リチウムアノードを炭酸リチウムの薄い層でコーティング処理し、望ましくない 化合物のアノードへの移動を回避しながらアノードから選択的にリチウムイオンを電解質へと移動させ る。
・ また、酸素等から成る空気が電池内に入り込む場所であるカソードを二硫化モリブデン触媒でコー ティング処理。さらに、蓄電池電解質で一般的に利用されるイオン液体とジメチルスルホキシドから成 るハイブリッド電解質を使用。これによりリチウムと酸素の反応を促進し、リチウムと大気中の他元素 との反応を最小限に抑えて蓄電池の効率性を向上。
<全文>http://www.nedo.go.jp/content/100879119.pdf

11 5月 2018

【技術紹介】Li空気電池まで地続きに進化、新型電池があらゆる人工物を刷新 | 日経 xTECH(クロステック)

・トヨタを始め、TDK, 村田製作所, Fiskerの全固体電池の取り組みついてまとめられている。
・ソフトバンクが10億円を投資することを発表した空気電池についても。
<元記事>http://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00270/04/?P=1

16 4月 2018

【論文紹介】Cathodically Stable Li-O2 Battery Operations Using Water-in-Salt Electrolyte

出典:https://www.sciencedirect.com/

Chem Available online 12 April 2018;https://doi.org/10.1016/j.chempr.2018.02.015
・高濃度水系電解液(Water-in-salt)を用いることでリチウム空気電池が安定して駆動できるという報告。
・これまでの報告のように、Water-in-saltの場合、系内の水は全てイオンと水和した状態であり、Li<sub>2</sub>O<sub>2</sub>初め他の酸素種との反応が生じない。
・LiTFSIの高濃度の水溶液をリチウム空気電池に用いることで、安定して300サイクルの充放電が可能となる。
<元記事>https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2451929418300767

12 4月 2018

【ニュース】ソフトバンク、「リチウム空気電池」を2025年に実用化へ – CNET Japan

・ソフトバンクは4月11日、国立研究開発法人 物質・材料研究機構(NIMS)と「NIMS-SoftBank先端技術開発センター」の設置に関する覚書を締結したと発表した。
・まず、次世代の革新的電池である「リチウム空気電池」の実用化に向けて研究開発を重ね、2025年ごろの実用化を目指すとしている。
<元記事>https://japan.cnet.com/article/35117579/