24 12月 2018

【論文紹介】Directing Mg-Storage Chemistry in Organic Polymers toward High-Energy Mg Batteries – ScienceDirect

出典:https://ars.els-cdn.com/

Joule doi: 10.1016/j.joule.2018.11.022
・トヨタのアメリカ研究所とヒューストン大学の研究者らによるマグネシウム電池に関する報告。
・これまでMg電池用の正極として シェブレル構造の硫化モリブデンが一般的であったが、Mgイオンの伝導が遅く、容量も出力もリチウムイオン電池を上回る電池を作製することはできていない。
・本報告では、キノン系の有機正極、負極にマグネシウム金属、塩化物フリーの電解液を用いて、高容量(243Wh/kg)、高出力(3400W/kg)のマグネシウム電池を達成した。
・この電池は2500サイクル後にも87%の容量を維持した。
<元記事>https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2542435118305713?via=ihub


◯解説:
kg に市場の電池の構造が加味されておらず誤解を招くかもしれない。
さて、先日もMg電池の論文を本サイトで取り上げた。

【論文紹介】Tailoring the electrochemical activity of magnesium chromium oxide towards Mg batteries through control of size and crystal structure – Nanoscale


それを踏まえて、この論文の価値を考えてみる。
学術的には大変面白いかもしれない。
2価のイオンを無機物のように骨格が固定の材料に収納するのではなく、比較的フレキシブルな骨格に収納している。それにより、2価のイオンが伝導しやすくなっているのかもしれない。
イオンの伝導は、電子と比較して研究が進んでいない。その理由として、大きな質量と体積を持つため難易度が極端に上がる。また、その見かけ上の体積が変化する。
このような研究をきっかけに伝導の理解を高める研究が進むことを期待したい。

【論文紹介】Tailoring the electrochemical activity of magnesium chromium oxide towards Mg batteries through control of size and crystal structure – Nanoscale

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02 11月 2018

【論文紹介】Novel and versatile room temperature ionic liquids for energy storage

出典:https://pubs.rsc.org/

Energy & Environmental Science doi: 10.1039/C8EE02437E
・トヨタ自動車とモナッシュ大の研究チームらは、二次電池の電解質用のボロン系室温イオン液体を開発した。
・新規イオン液体は、ホウ素クラスターでできたcarboraneアニオンと呼ばれる二十面体のサイコロ状イオンであり、還元耐性が高く、かつガラス転移温度が低い。
・これにより、リチウムやマグネシウムの金属電位においても安定している。
<元記事>https://pubs.rsc.org/en/Content/ArticleLanding/2018/EE/C8EE02437E#!divAbstract

<X’s EYE>
◯解説:
イオン液体は一時期安全性を高める材料として研究が盛んに行われていたが最近下火である。燃えにくい、発火する温度が高いというのが必ずしも電池の安全につながらない。詳しく説明すると、


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16 5月 2018

【ニュース】先端産業創造プロジェクト マグネシウム蓄電池の試作品が完成 – 埼玉県

・埼玉県産業技術総合センター(略称 SAITEC)と、藤倉ゴム工業株式会社(事業所:さいたま市)との共同により、”マグネシウム蓄電池の試作品が完成”した。
・今回、SAITECの研究開発シーズと「蓄電池実用化研究会」の会員企業である藤倉ゴム工業株式会社の製造技術によって、実際の機器に搭載して試験が可能なラミネート型及びコイン型のマグネシウム蓄電池の試作品が完成した。
<元記事>http://www.pref.saitama.lg.jp/a0001/news/page/2018/0515-01.html

07 2月 2018

【論文紹介】Reversible Mg-Ion Insertion in a Metastable One-Dimensional Polymorph of V2O5

Chem Available online 3 February 2018; https://doi.org/10.1016/j.chempr.2017.12.018
・マグネシウム電池用正極剤についての報告。
・Mg2+を可逆的に挿入脱離可能な正極材として、準安定V2O5を提案。
・Mg2+を準安定状態で挿入することで、周囲の原子との結合を弱め、挿入脱離の可逆性を向上させた。
・平均電圧1.65V(vs. Mg/Mg+)で、式量あたり0.33のMg2+を可逆的に挿入できる(90mAh/g)。
<元記事>https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S245192941730520X

08 12月 2017

【ニュース】充電繰り返せるマグネシウム電池の正極材、東京理科大  :日本経済新聞

出典:https://www.nikkei.com

・東京理科大学の井手本康教授らは、リチウムイオン電池に代わる次世代技術と期待される「マグネシウム電池」用の正極を開発した。
・従来は繰り返して充電することはできなかったが、マンガンを加えることなどで耐久性を高めた。
・これとは別に層状構造にすることで容量を増やし、リチウムイオン電池を上回った。
・他の研究チームと協力し、今回開発した正極を電解液や負極と組み合わせてマグネシウム電池を試作し、改良に取り組む計画だ。
<元記事>https://www.nikkei.com/article/DGXMZO24336060W7A201C1X11000/

04 12月 2017

【論文紹介(オープンアクセス)】High magnesium mobility in ternary spinel chalcogenides

出典:https://www.nature.com/

Nature Communications 8, Article number: 1759 (2017) doi:10.1038/s41467-017-01772-1
・新規なマグネシウムイオン固体電解質についての報告。
・マグネシウムスカンジウムセレナイドスピネルがリチウムイオン固体電解質に匹敵する移動度でマグネシウムイオンを伝導することを見出した。
・この材料が、マグネシウムの高速ホッピングによって伝導することをNMRで確認した。
・結果として298Kにおいて、約0.01〜0.1mS/cmの導電率を確認した。
<元記事>https://www.nature.com/articles/s41467-017-01772-1

16 1月 2017

【ニュース】和光純薬 マグネシウム二次電池用電解液Maglution™ シリーズ発売

出典:http://www.wako-chem.co.jp/

・和光純薬工業は、マグネシウム電池の研究用途に最適な安全性、酸化耐性に優れた電解液を開発。
・独自に開発したホウ素系マグネシウム塩を使用した、高性能・安全な電解液。
・自然発火性の高い有機マグネシウム塩を含まず、安全に使用できる。
<元記事>http://www.wako-chem.co.jp/siyaku/product/chemical/Maglution/index.htm

25 5月 2016

【論文紹介】Characteristics of tetrahydrofuran-based electrolytes with magnesium alkoxide additives for rechargeable magnesium batteries

出展:http://www.sciencedirect.com/

Journal of Power Sources, Volume 323, 15 August 2016, Pages 51–56
・低い過電圧&高効率でマグネシウムを析出溶解可能な電解質に関する報告。
・臭化マグネシウム(MgBr2)とマグネシウムエトキシド(Mg(OEt)2)の1:1のTHF混合溶媒。
・通常、それぞれの単独電解質ではMgの析出溶解はできない。
・混合することで、EtO-Mg-Br・4THFのコンプレックスを形成することを確認。
・このコンプレックス形成により、低い過電圧で、且つ、高効率なマグネシウムの析出溶解を可能にする。

<元記事>http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S037877531630581X

11 2月 2016

【論文紹介】The Effect of the Cyclic Ether Additives to the Ethereal Electrolyte Solutions for Mg Secondary Battery

Electrochemistry, Vol. 84 (2016) No. 2 p. 76-78
・マグネシウム二次電池の電解液添加剤についての報告。
・通常 Mg(TFSA)2塩はTHFには溶解しないが、クラウンエーテル(18C6エーテル)を添加すると1mM溶解させることができ、伝導度が10−3 S cm−1 オーダーに到達する。
この電解液でサイクリックボルタンメトリーを行うとMgの析出溶解に起因する可逆な酸化還元波が観察できる。
クラウンエーテル添加によりマグネシウムイオンが特殊な溶媒和を形成する。
<元記事(オープンアクセス)>https://www.jstage.jst.go.jp/article/electrochemistry/84/2/84_15-E00153/_article/-char/ja/

25 1月 2016

【無料セミナー1/26名古屋】自動車関連技術講演会 -マグネシウムのエネルギー利用・電池利用に向けた最新技術開発動向-

・「マグネシウムのエネルギー利用の展望について」
国立研究開発法人産業技術総合研究所 九州センター 所長 坂本 満 氏
・「非常用電源としてのマグネシウム空気電池(MgBOX)の開発」 古河電池株式会社 技術開発本部 開発統括部 研究部 部長 阿部 英俊 氏、 主任 久保田 昌明 氏
・「難燃性マグネシウム合金鋳造薄板による 一次空気電池用電極素材の開発」
株式会社戸畑製作所 営業部・技術センター 統括・常務取締役 松本 敏治 氏、 技術部 マネージャー 城戸 太司 氏
・「マグネシウム合金の組織と一次空気電池特性の関係」 国立研究開発法人産業技術総合研究所 中部センター
構造材料研究部門 軽量金属設計グループ 研究グループ長 千野 靖正 氏、 研究員 湯浅 元仁 氏
<詳細・お申し込み> http://www.aist.go.jp/Portals/0/chubu/images/event/2016/20160126/20160126.pdf