07 1月 2019

【特別連載(別冊)】第13回 荒木―K対談 〜入社試験3 実技編2〜

前回に引き続き、K氏の弊社入社試験の様子を公開します。今回は実技編2とのことで、K氏に中国製電池の解体をしてもらうつもりだったのですが・・・・

<荒木(以下A)>
Amazonで18650電池を買いました。
1) RADIWOW 18650 2000mAh
2) UltraFire 18650 4200mAh
3) KEEPPOWER 18650 3500mAh(電池はPanasonic製と記載)
これを解体し,安全性について考察してください。

<K>
はい。と言いたいところですが、ちょっと怖いですね。

<A>
もしかして、ビビってますか?

<K>
いや、無名の中国製電池は解体したことがなく、これまでの経験や常識が通用しない可能性がありますので。
まずはX線CTをとって中身を確認させてもらえませんでしょうか?
あと、解体してしまうと、捲回の状態がわからないですから、そのあたりの確認をするのも良いかと思います。

<A>
確かにそうですね。UltraFireとか、名前が怖いですからね。。。。
解体中にUltraFireしました!ってシャレにならないですからね。
なんで電池の名前にFireとかつけっちゃったんですかね?

<K>
Fireとかはイメージ的に避けたいところですよね。

<A>
あと、これまでの面接対談で、ARM Technologies はブラック企業臭がするとの指摘ももらっていますので、ホワイト感を出すためにも、やはり、安全第一ですからね。社員の安全第一ですからね。

<K>
なんで二回も言ったのですか?

<A>
ホワイトアピールです。
では、安全にCT撮りましょう。
ついでに、ソニー製VTC-6、パナソニック製IMR18650、パナソニック製テスラモデルSの電池も持ち合わせているので、安全なCTを撮ってみましょう。

<K>
テスラモデルS等、それは面白いですね。私の経験では、パナソニック製電池は巻きがきれいですが、ソニー製電池の巻きはあまりきれいではないという印象です。中国製の電池も気になりますね。そのあたりにも注目してみます。

〜1週間後〜

<A>
安全なCT撮れました。三次元でグルグルできて、これは面白いですね。

<K>
3次元画像をPC上で様々な角度から様々な場所の断面を見ることができて面白い、ということですね?

<A>
今、そう言おうと思っていました。
それでは、これらの画像を見て、安全性の観点から考察してください。

<K>
まず、テスラは有名ですが、中国製電池の2つ(UltraFireとRADIWOW)にはセンターピンが入っていませんね。

<A>
センターピンが入っていないとどういう危険があるのですか?

<K>
センターピンは破裂抑制のために入れるのですが、それが入っていないというだけで危険とは判断できません。その必要がないから入っていない可能性もありますので。そのあたりは加熱試験等で燃やしてみて判断しないといけませんね。

<A>
では今度安全に燃やしてみましょう。
あと、テスラの電池ですが、側面だけ缶が二重になっているように見えるのですが、これはどんな意味があるのですか?

<K>
すみません。ちょっとこれはわかりません。推測になりますが、先程の安全弁センターピンがないことによる破裂の防止策なのかもしれません。
下図は電池のボトムをスライスした画像になりますが、テスラの電池のみ切り欠きのようなものもが見られます。これも破裂対策ではないかと推察しています。つまり、もしものことがあった場合に、横に電池が破裂するのではなく、確実に上下方向に破裂させることで、周囲の電池へダメージを与えないようにしているのかもしれません。

<A>
そこまでしてセンターピンを無くしたい理由がわかりません。なにか考えられます?

<K>
安全性の観点から推測すると、電池が外力によって潰れた時に、センターピンを起点として、内部短絡が生じる場合があります。センターピンがあることで電池が潰れた時の安全性が低下したために、センターピンを外したかったのかもしれませんね。自動車用の場合は、特に衝突安全性を高めたいはずですからね。

<A>
なるほど。
外圧がかかったときにあえてセンターピンで大面積で内部短絡を生じさせて一部分に電流が集中せずに一気に放電してしまうという安全性対策も聞いたことがありますが、これは、そもそも内部短絡を生じさせないということですね。

他になにか面白いことあります?

<K>
安全性という意味では、RADIWOWに電流遮断弁が見当たりませんね。電池の内圧が上がったときに、ペコンッと変形して電流を遮断する弁です。内圧を逃がす安全弁はついているのですが。

<A>
それは結構重要な部品ではないでしょうか?怖いですね。

<K>
恐ろしいですね。ただ、そういったものがCTで簡単にわかれば、電池を使用する側が選別しやすくなりますね。

次に、電池の巻きズレを見てみます。下の図が電池トップ部の横方向からの断面です。赤色矢印の飛び出ている部分が負極銅箔、少し下側の青色矢印の部分が正極活物質層です。これらが巻内側から巻外側にきれいに並んでいるのが、巻ズレが小さいということになります。

<A>
なるほど

<K>
下図は、上段の3つがパナソニック製の電池です。下段左からUltraFire、RADIWOW、SONY VTC-6電池です。KEEPPOWERとして売られていた電池ですが、おそらくPanasonicのIMR18650と同じものですね。

巻ズレですが、Panasonic製電池は、巻きの美しさは見事ですね。ほぼ一直線に並んでいます。一方、下段の中国製電池は酷いですね。ソニー製電池も、Panasonic製に比べるとやや巻きズレが確認できますが、中国製電池と比べると大分きれいです。

<A>
あー!レディゴーの電池が大変なことになってますね。

<K>
RADIWOWですね。

<A>
すみません。さっきからずっと頭の中をアナ雪のレディゴー、っていうのが流れていて、ついつい。。。

<K>
はい。
拡大してみますが、巻外側で負極よりも正極のほうが外側にはみ出てます。

この部分はサイクルを繰り返すと、エッジ部分でのリチウム析出やリチウム損失の劣化を招きますね。これは良くないですね。

<A>
いやあ、こういった情報は解体してしまうと見えないので、CTを撮って良かったです。まさに、ありの〜 ままの〜 姿みせ〜る〜のよ〜 ですね。

<K>
はい。

<A>
・・・・

<A>
すこーしも寒くないわー

<A>
・・・で、では次回これらを解体して、CTでは見えないテープ貼りなど見ていきましょう!

<次回に続く>