21 11月 2018

【特別連載(別冊)】第11回 荒木ー新人K氏対談(入社面談) 〜安全性はじめました〜

【特別連載(別冊)】第11回 荒木ー新人K氏対談(入社面談) 〜安全性はじめました〜
10月から弊社に来てもらっている新人Kとの入社試験の様子をお伝えします。K氏の入社により、これまで弊社では対応できなかった安全性関連の受託も一部可能になりました。
『安全性、はじめました。』
安全性関連の委託も含め、リチウムイオン電池のことなら何でもご相談下さい。(相談無料)

〜9月初旬 新人K氏と荒木の採用一次面接会場にて〜
<荒木(以下A)>
弊社へのご応募ありがとうございます。
では、一次入社面接を初めます。まずはこちらから質問しますので、お答え下さい。Kさんのご略歴を簡単にご紹介下さい。

<K>
はい。
前々職では電池メーカーの開発部に所属しておりました。主にリチウムイオン電池の安全性を担当しておりました。具体的には、釘刺し安全性向上などの安全化技術開発や、また安全性の分野は市場事故と深く関わっておりますので、事故リスク定量化や原因解析なども経験しました。電池の設計、試作、評価など基本的な知識、技術は保有しております。

その後Tier1に転職し、電池開発に加えて電池パック開発も担当しました。ここでは電池単体ではなく、電池をモジュール化するフェーズを経験しました。複数の電池を拘束するなど機械設計や、電池発熱時の熱シミュレーションなど幅広く経験しました。

直近の約1年は、プログラミングの学習をしておりました。Python, C, Javaなど学習しました。業務で使えそうなのは、データ処理、グラフ化などExcelのマクロのような表計算のプログラムは書けるレベルです。また最近のIOTブームで注目されているArduinoやRaspberry piを使って簡易的な測定装置を作製することもできます。

<A>
すごいですね。いろんなことできますね。大学時代は有機合成もしていたと履歴書にあるのですが、MRIみたいなやつもできるのですか?

<K>
NMRですね。。。
最近は遠ざかっていますが、ちょっと思い出せば可能です。合成経路などの考案も重要ですが、作ったものを分離精製し、なにが合成できているのかの分析技術も重要です。そういった一連の流れは大学で学び、経験しました。

<A>
すごいですね。100点満点の答えですね。
では、電池のご経験について深掘りしていきたいと思います。
安全性関連に携わっておられたとのことですが、電池の安全性試験の経験は?

<K>
一通りの安全性試験は経験してきました。釘さし試験、強制内部短絡試験などの内部短絡系の試験や、その他の加熱試験、過充電試験など、試験系の構築、実施、考察は可能です。基本的には短絡、加熱、過充電などの発熱因子に対する電池材料の熱安定性を評価・考察するだけと思っております。試験水準、試験方法など知恵を使うことで、より深い考察が得られると思います。

<A>
だけ、とか言われると反発したくなるのですが、安全性関係は負けそうなのでやめておきます。ただ、普遍的なものを追求するのは重要ですね。
電池メーカで色々な電池を解体したりして見てきたと思いますが、例えば、電池を見るだけで、その電池が安全かどうか、どんなリスクが有るのかとか、パってわかりますか?

<K>
例えばセンターピンが入ってない円筒電池があったとすれば破裂しやすいのか、またはセパレータの材料がPPかPEかどうかでシャットダウン温度が違うので、短絡時に電池温度が何度まで上がるのか、など構成部材、材料の相対比較から、その電池の安全性のリスク評価は可能かと思います。ただし、電池は試験しないとわからないことが多々あるので、観察するだけではなく簡易的に実電池試験を合わせて実施することでリスク評価の精度が上がると思います。

<A>
どんな構造が安全なのかなどの、各電池メーカーが行っている安全対策などを把握しているのであれば、どうすれば安全な電池になるか、というのもわかりますよね。履歴書の安全化技術を開発していたというのも魅力ですね。
もしかして燃えた電池を見て、その燃えカスから、発火原因とか推測したりとかできますか?かなりの経験が必要ですが。

<K>
消防の方が火災現場を調査して、火災原因を推定するようなことでしょうか。数多くの電池の安全性試験を経験してきましたが、電池の材料、エネルギー密度、充電深度などで発火の程度は変わってきます。また試験方法によって熱暴走の起点が変わってくるので、その履歴は残っているはずだと思いますので、可能だと思います。最近流行りの機械学習などを活用すれば精度よく推定できそうな気がします。プログラミングを学習したのでチャレンジしたい分野ではあります。

<A>
意識高い系ですね。大好きです。
話は変わりますが、最近、モバイルバッテリーが燃えたというニュースなどをよく聞きますが、これについてどう思いますか?

<K>
最近、ニュースなどで、よく耳にしますね。中国には電池メーカが数百社あるとも聞きますので、あまり有名ではないメーカーの電池の、“価格の安さ”だけに惹かれて、安全対策が不十分な電池が採用されているのだと思います。CATLやBYD、国軒高科、力神など一流の中国メーカーの電池は日本製と変わらない安全対策がなされていますが、無名のメーカーの電池はどうでしょうか?技術者の視点から見ると、中国製バッテリの市場事故は起こるべくして起きているのかもしれませんね。

<A>
そうですよね。ただ、モバイルバッテリーなどを販売する側からすれば、電池は部品の一つであり、そんなに違いがあるとは思わず、ついついコストの観点から選んでしまうんですかね。PSEマークが入っているかどうかは見ているみたいですが。そもそもどうやって電池を選べばいいかもわからないでしょう。中国の有名メーカのシェアは高いですが、無名メーカも多く存在し、そんな電池を搭載した電子機器が実際に日本国内で出回っており、危険なことが起きている。このあたりを弊社でどうにかできないかって考えているんです。

<K>
こういうのはどうでしょうか?日本の大手の電池メーカなどでも、無名の中国製電池を解体してベンチマークすることは殆どありません。なので、私自身も現状が把握できていないのですが、そのような無名の電池を解体や解析して、安全性対策がなされているかどうか、ARM Technologiesで分析して、無名の中国製電池の安全ランク付けを行うというのはどうでしょうか?
それをもって電池を選んでもらえれば、電池の事故はもっと減らせるのではないでしょうか?

<A>
素晴らしいです。やりましょう。
面接合格です!

<K>
ありがとうございます。

<A>
次回実技試験にお進み下さい。

<K>
え?!

<A>
プログラミングもできるということなんで、次回はプログラミングの課題をお願いしようと今思いつきました。課題を連絡するので、プログラミング技術を使って、短時間で解決できるようにして下さい。

<K>
納期はどのくらいでしょうか?

<A>
素晴らしいです。その言葉を待っていました。ここでの仕事はお客様との納期を守ることも信頼という意味で非常に重要です。そのような意識はとても大切です。
納期は明日でお願いします。

<K>
え?あ、はい!

<次回、実技試験“近年のリチウムイオン電池による事故事例データの分析”に続く>