28 5月 2018

【特別連載(別冊)】第2回 荒木ーX対談

今回も、前連載【特別連載(寄稿) 第3回】「電池ロードマップの実際」についての振り返りを対談形式で行います。

<荒木:以下A>
今週もやっぱり、「誰なんだ?」って問い合わせ多いですね。知り合いから。
トヨタじゃないとなると2社くらいに絞れちゃうと思うんですが。

<X>
トヨタ関係者もあるんじゃないですか?あと、外資も。
まだ、一部の人が疑っている荒木一人演技説も捨てられないんじゃないですか?
いずれにしても、興味持ってもらってうれしいですね。

<A>
どうも結構年取ったリタイヤ寸前のイメージ像があるようです。

<X>
えっ、まだ社会人人生半分も過ぎてないですよ。

<A>
ヒントですね。自分からばれようとしてます?
毎回すこしずつヒント出しますか?
確かにXさんを初めて見た人からは、偉い人オーラがでてるとか言ってましたよ。

<X>
そんなに偉そうですか?

<A>
その偉そうな感じが後押ししてか、この投稿に対しても、よく言ってくれた、もやもやが晴れたとか、そういう反応が多いですね。

<X>
それはうれしいですね。お役に立てているのであれば。
でも、そもそもはそのロジックを考えるきっかけすらないような人に何かできないか、ってことがモチベーションでしたからね。
そういう人の役に立てる方法考えたいですね。

<A>
もっと固体電解質の詳細な話が聞きたいとかの問合せなど来ていますが、全て個別に対応するのは無理なので、正体を明らかにして、セミナーなど開いてはどうでしょうか?

<X>
いずれ、状況がととのえば・・・・

<A>
Xさんらしくないですね。
大企業病ですか?承認経路が長いのですか?国会の牛歩作戦ですか?
今決めちゃいましょう。やるのか、やらないのか?

<X>
やるとしても、一方的な講演形式は嫌ですね。双方向に意見や考えいえる方がいいですね。

<A>
ありがとうございます。このサイトで近々発表しましょう。Xさんの正体も含めて。
型にハマらない我々なので、これまでの講義形式のセミナーではなく、なんか面白く、より有意義な形を考えましょう。

<X>
わかりました。やりましょう。
面白いことをやりたいですね。正体不明のままの方がおもしろいと思うんですが。

<A>
Xさん、いやらしい。
いつも自分が言ってるじゃないですか、日本では人を見るんじゃなくて会社を見ちゃうって。
保証します。Xさん、カタログスペックはすごいですから。

<X>
カタログスペック”は”・・・?

【ロードマップを紐解くきっかけ】
<A>
前回の連載【特別連載(寄稿) 第3回】「電池ロードマップの実際」についてお話しましょう。
http://lithiumion.info/myblog/?post_type=contribution_seriali&p=14408

例えば、ロードマップの話題の中で、Xさんはリーフの出力を簡単に出力1000W/Lって数字出したけど、あれってどうやって計算するかわからない人も多いと思いますよ。

<X>
そうなんですね。
大したことじゃないので、それは計算の仕方答えちゃいますね。
【LEAF情報】
電池搭載量:40 kWh
モーター定格出力:85 kW
【電池情報】
460Wh/L

電池のみの総体積
(40 kWh)/(460 Wh/L)=約87 L
電池出力密度
(85 kW)/(87 L)=約1000 W/L
って感じです。

ただ、この値の意味はどういうものかは、各社走行の設計思想が違うので意味合いは変わってくると思います。なのでエネ密はまだしも、出入力密度ってなかなか各社共通にならないと思います。
それに、1秒なのか10秒またまたそれ以上ってこともあります。さらにSOCに敏感なので、各社がどういうSOC領域で使っているのかでも変わってきますし。温度も重要ですね。
詳細はお話しできませんが、HEVなんかは各社の思想が出てて面白いですよね。
走行性能なのかコストなのか。ここでは、e-powerはHEVという扱いで。

<A>
カタログには定格と最大出力2つ掲載されていますね。

<X>
出力目標参考にするときは最大の方、使った方がいいですね。目標というか最低ラインですね。1300 W/Lぐらいですか。
語弊がないように付け加えると、パックの仕様が変われば変わるので、1300 W/Lでればいいわけじゃないですからね。
システム平均電圧とか、電池容量(Ah)などの数字があれば、もう少し詳しく分解できますよね。
システム電圧は350Vで、電池はAESCのHPから、電池は3.65V、56.3Ahってあるので、そこから並列・直列数出ます。
あとは、記事でも書いたように耐久性能とかほかにもあるので、これだけ達成すればいいとは思わないでくださいね。

<A>
モーター出力というのは、トルクと回転速度から決まりますが、電池の出力はモーターでいうと出力というより入力に相当するのではないでしょうか?
その場合、損失とか加味しなくて大丈夫ですか?

<X>
本当は加味した方がいいと思いますが、モーターの変換効率は結構高いので方針決めるような段階であれば、神経質に考えなくていいんじゃないでしょうか。

<A>
つまり、この計算で求めた出力は、最低これ以上出せる電池、ということで、電池単体を持ってきて測定するともっと出る、ということですね。

意外とこういうこと計算してないで悩んでいる人多いですよ。

<X>
もったいないですね。他人から数字だけ教えてもらうのって意外と実感できないですからね。
こういうの日ごろから確かめ算みたいにやっていると、日々流れてくるニュースの信ぴょう性なんかも自分で判断できるようになって振り回されなくていいんですけどね。

<A>
信憑性の高い情報のみ出てくればいいんですんけど・・・・

<X>
自分たちが市場で優位に立ちたいなら、そんなの期待してはダメですね。
この投稿の目的は、多くの方に情報を自分たちの使いやすいように加工できる方法であったり考え方のきっかけを与えられたらってことです。
情報に振り回されない一つの方法は、自分たちの絶対的な根拠のある基準を持っておくことだと思います。
それに対してどうかって分析していけばいいと思います。
迷っている人の多くは基準が曖昧なのではないでしょうか?もしくは固定されていない。
地道に続けると、情報を選択できるようになりますし、足りない情報がわかり有効な情報取集をすることができると思います。

<A>
電池の中身もそういうように理解していくこと可能なんですかね?

<X>
そうですね。
詳細はお話しできませんが、各社制御や性能保証の思想があって、それに合わせた設計になっていますね。
設計や制御の思想みたいなものは意外とシンプルに説明できるかもしれませんね。
電池メーカーではできているんじゃないでしょうか?

<A>
そういうのって競争力につながるから、なかなか表に出てこないですよね。
それに、知ったところでノウハウばかりで材料メーカーさんが悩んでいます。

<X>
そうなんですね。

<A>
私のお客様も悩んでいて、何とかできないかなといろいろ考えているんですけど、難しいですね。

<X>
私も電池メーカーが材料メーカーにどういう指示出しているかわからないですけど、自動車メーカーの考えを材料メーカーが知ることができれば何か打開策になるんですか?

<A>
私のお客様からよく聞く話ですが、
新規材料を開発して、電池メーカ、自動車メーカにその物性をもって提案しに行くと、電池を作って評価してこいと言われる、と

<X>
はい。言いますね。

<A>
で、コイン電池を作って電池特性を測って持っていくと、コインじゃよくわからないから、最低でもラミを作ってこいと、

<X>
はい。

<A>
で、ラミセルを作って電池特性を測って持っていくと、設計が違うからわからない、と言われる。
そもそも、新規材料の入っていない比較例の特性が悪いので、新規材料が良いかどうかわからない、と言われるそうです。

<X>
よくありますね。

<A>
これって、おかしくないですか?
電池の業界ではよくあるのかもしれませんが、例えばハウスメーカで考えると、木材屋さんが高強度な木材を開発してハウスメーカに持って行った時に、それで家を作って耐震評価してこいって言いますか?
材料開発の専門家が、電池メーカと同じ特性の電池を作る必要ありますか?

<X>
他社はどうかわかりませんが、うちの会社は市場に出しているもののスペックを提供して、目標値なんかは共有していますよ。材料メーカさんにも。電池一個あたりの性能まで落として。
解体したり評価したりすればわかることは、提供してあげないと建設的じゃないですからね。
ただ、それをどう達成できるか、他の性能との両立のノウハウも私たちにはありません。
なので、そこは電池メーカーさんに頼りっきりですね。性能・コストや調達に影響しないなら材料は指定しないです。お任せです。
目標は提供できるけど、形にするところは電池メーカーさんと相談してもらわないと厳しいのが現状ですね。

<A>
なんかこのあたりのモヤモヤを解消すれば、電池開発という業界の大きな流れが、もっとスムーズになっていくように思います。Xさん、上流からなんとかしてください。

<X>
今すぐ変えることはできるはずありませんが、建設的な関係にしていかないといけないですね。
材料メーカーさんの悪いところを指摘するとしたら、まずは、これまで指摘していおるように一つの性能にしか着目しておらず、他の性能と両立ができていないことが多い事ですね。
あとは、前回の対談でも話しましたが、自動車業界は限界性能を見極めたいです。なので、トップデータだけを持ってこられても、インパクトがありません。
自動車メーカーが基準としているものと比較して、さらにそれが達成できる根拠・原理原則が欲しいです。もちろん検証結果付きで。
それによって、提案いただいた材料の価値が判断できます。

<A>
悩んでる方々は今すぐにそこまでは難しいかもしれませんが、海外の大手はやってますもんね。

 

【ロードマップの活用】
<A>
ちょっと寄り道してしまいましたが、話を戻します。
前回のロードマップのお話は、各社が公開しているロードマップの数値をただ信じるのではなく、そこからいろいろな情報、思想を読み取るのが重要だということだと理解しましたが、電池を作り込んだことのない材料メーカさんとかは中々難しいと思います。

電池と車両の両方をしているXさん、そのあたりの背景を読み解くコツを、以下のCATLのロードマップを例に教えて頂けますか?

出典:https://evobsession.com/

 

<X>
基本、現状エネ密に関しては電池メーカーがこのように提示してきてそれで車両を考える方向になっちゃってますね。ただ、電池メーカの試算も適当だし、他の性能まで考えてないなってのは自動車メーカもわかってきて、各社電池メーカー主導だったのが少し変わってきてるような気がします。これは、性能の話ですよ。

読み解くとかいうのではありませんが、現状進化では1000Wh/Lは未だしも、400Wh/Kgって計算すれば現実的じゃないとまでは言いませんがかなりチャレンジングなの分かりますよね。
負極はSiとかだと思うんですが、ちゃんと膨張した状態も加味したりすれば。
それぐらいは自力で計算できないと電池メーカーさんとはやりとりできないと思うんですが。

<A>
と言いますと?

<X>
現状の市場に出ている電池を基準に、この材料をこれに変える、薄くする厚くする、密度あげるなど計算すればどれだけハードルが高いか理解できるはずです。
耐久・出入力を出せと言っているわけではないので、これぐらいは自力でやらずに分からないと言われても困ります。
そもそもそれをやらずに開発目標って設定しにくいと思います。
多分、全固体なんかもここら辺の計算をやらずに出ている数字だけを信じているんではないでしょうか?
ビジネスは会社名でついていくのはまだいいですが、技術方針も会社名で決まっていくなら技術者いらないですね。

<A>
ありがとうございます。私を恫喝した「トヨタ信者」への攻撃。
話を戻して、本来は、車両価値みたいなの期待していたんですが、違う方行っちゃいましたね。これはこれで面白いので。車両の話は反応踏まえて次の機会に。
やりだすと不可逆容量や正負極比などありますが、まずはやらないとダメですね。
やった人に分からないところを教えれば、そのあと変化があっても自分で対応できます。
ただ、結果だけをもらう人は、変化がある度に教えないといけない。効率悪いですよね。

<X>
コンサル頼りの会社みたいですね。
できている人はきっかけがあったからであって、今すぐにできていないことを恥じる必要は無いと思います。
必要なのに行動しないのが問題ですね。
行動すれば、我々じゃなくても周りで教えてくれる人は転がっていると思うんですが、どうです?

<A>
その通りですね。
こういうのは有効ですね。いいネタあったらまたやってみましょう。

<X>
前回触れたトヨタなんかはわかりやすいですよね。考えている背景や・ロジックがしっかりしているので。
視点がばらばらで埋めたものは、読み解くのが難しくて困っちゃいますよね。
また、各社を分析したいなら技術から経営まで自分なりのロジックで一貫したストーリ作っておくといいですよ。
何が、本音で何が建前かもわかるようになっていくので。
ただ、技術や経営に一貫したストーリーがない会社は雲つかむような感じですね。

<A>
情報を扱われる方は、確かにそういう努力はしておいた方がいいですね。
情報ってちょっと時間たつと真逆になってたりしますよね。
それを日々追うのってかなりしんどいですからね。

<X>
そうですね。
情報の表面だけを追っていったらきりないですかなら。
情報を使いやすいように紐解いて、加工していくことが必要ですね。

原理原則を追うようなもんなんで、研究している人はこういうの得意な人多いと思いますよ。きっかけあれば大したことないですよ。
私自身も、こういう考え方できるのは基礎研究に従事していた時、「なぜなぜ」馬鹿まじめにやっていたおかげかなと、感謝しています。
ただ、通じない領域もありますよね。

<A>
何ですか?

<X>
奥さんですね。犬はいけるんですけどね。

<A>
じゃ、Xさんは家では威圧感ないんですね。

<X>
ありますよ。犬には。

<A>
・・・・・・
通じないんじゃなくて、まだ原理原則が理解できていないんですね。
お互い頑張りましょう。

<X>
できないから一緒にいられるのかもしれませんね。MBAの本当の訳、知ってますか?

<A>
いつもの悪ふざけが出てきました。やめましょう。

 

【次回の投稿記事について】
<X>
さて、次回はどうしましょうか?

<A>
そうですね。いろいろありそうですが、次なにやりましょう?

<X>
自動車から離れますが、あの会社の資源と研究への投資どうですか?
資源とPOST-LIB扱うのにちょうどいいですね。
荒木さん、孫さん好きだし。

<A>
固有名詞だしちゃ意味ないでしょ。
でも、いいですね。やってみましょう。

<X>
でも、記事っていうより対談形式に向いたネタじゃないですか?

<A>
いいですね。僕もその場で質問できますし。
ちょうど、ブレイクするのもいいかもしれませんね。

ところで、投稿のペースが早すぎるのですが、Xさん、ちゃんと仕事してます?・・・・・

<X>
してますよ。これは業務時間外にやってます。もう一人の荒木が。

<A>
やめてください。
私のことよく知っている人にはバレています。わたしじゃないこと。

<次回予告 ”POST-LiB”>

<過去連載記事>

【特別連載(寄稿) 第1回】「テスラから感じる世の中の電動化への見方」
【特別連載(寄稿) 第2回】「全固体電池の実際」
【特別連載(別冊)】 第1回 対談
【特別連載(寄稿) 第3回】「電池ロードマップの実際」