15 6月 2019

【論文紹介】NEDO 海外技術情報(2019 年 6 月 14 日号)

◯エネルギー関連目次抜粋
・降雪で発電する新デバイス
UCLA が、降雪で発電する摩擦帯電型ナノ発電デバイス、snow TENG (snow-based triboelectric nanogenerator)を開発。 小型でフレキシブルな薄いプラスチックシート状の同デバイスは、正電荷を帯びた雪と負電荷を帯 びたシリコーンを組合せたもので、雪がシリコーンの表面に接触することで発電する。
<元記事>https://www.nedo.go.jp/content/100893787.pdf

雪の結晶の形によって発電効率が違って、地域のよって違いが出そうである。
太陽光が少ない地域で活用の道があるかもしれない。

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14 6月 2019

【論文紹介】A Semiliquid Lithium Metal Anode: Joule

出典:https://www.cell.com/

Joule doi: 10.1016/j.joule.2019.05.022
・全固体電池用のリチウム金属負極を半液体状にすることで、固体電解質/負極界面の抵抗を低減した。
・二種の導電性高分子とリチウム金属微粒子を懸濁液として、半液体状のリチウム金属負極(SLMA)を開発した。
・半液体状であるため、全固体電解質と負極との界面は良好に接触し、通常のリチウム金属/固体電解質電池と比較して10倍以上の放電電流が可能となり、且つ、リチウム析出溶解反応の過電圧が減少する。
<元記事>https://www.cell.com/joule/fulltext/S2542-4351(19)30265-X?_returnURL=https://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S254243511930265X?showall=true

Li金属の析出溶解界面を増やすことができたために抵抗が小さくなったということであろうか。
サイクルを回しても初期の形状が継続できるのであれば、リチウム金属を使用するブレイクスルーになるかもしれない。

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10 6月 2019

【論文紹介】Overcoming binder limitations of sheet-type solid-state cathodes using a solvent-free dry-film approach – ScienceDirect

出典:https://ars.els-cdn.com/

Energy Storage Materials, doi: 10.1016/j.ensm.2019.05.033
・フラウンホーファー研究所とサムスン日本研究所が溶媒を用いないドライプロセスで低コストな電池製造プロセスを開発。
・0.1wt%のPTFEバインダーと活物質、固体電解質、導電材を乾式混合し圧延機で処理することでNMC正極板を作製。
・圧延機で高い剪断をかけることでバインダーポリマーがクモの巣状に活物質粒子と決着し、柔軟な自立性電極が作製できる。
・バインダー量が少ないことで、インピーダンスが下がる。
・溶媒を用いずに9cm2サイズの全固体電池を作製したところ、加圧無しで100サイクルの充放電が可能であった。
<元記事>https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2405829719302715?via=ihub

電池の進化というと材料に注目されがちであるが、このようなプロセス探索の研究の方が大きなブレイクスルーを起こす可能性が高いと思う。LIBTECでは既存のLIBプロセスの延長にこだわっているが、それが様々な面で不利になる可能性はあるのではないだろうか。

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09 6月 2019

【論文紹介】Customizing a Li–metal battery that survives practical operating conditions for electric vehicle applications

出典:https://pubs.rsc.org/

Energy Environ. Sci. doi: 10.1039/C9EE00716D
・急速充電が可能なリチウム金属電池に関する報告。
・金属負極にLiNO3による前処理を行い、Li2Oリッチ層を賦与。
・電解液はEMC,FECの混合物に1MのLiPF6、0.05MのLithium difluorooxalatoborate (LiODFB)を用いた。
・正極はAlをドープしたLi[Ni0.75Co0.10Mn0.15]O22
・この構成のリチウム金属電池は、4.1mAh/cm2の電流でフル充放電が可能。
・パウチ型セルで500サイクル後の維持率が90%であることを確認。
<元記事>https://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2019/EE/C9EE00716D#!divAbstract

入出力特性をグラファイト並みにするのは、何かして表面積を上げなければならない。そうすると違った課題が出てくる。
金属Li負極はこのような表面処理を用いた場合、入出力特性が必要なく、容量が求められる用途向きだろう。

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04 6月 2019

【論文紹介】Synthesis and Characterization of a Molecularly Designed High‐Performance Organodisulfide as Cathode Material for Lithium Batteries – Shadike – – Advanced Energy Materials

Adv. Energy Mater. 2019 doi: 10.1002/aenm.201900705
・米国エネルギー省(DOE)のBrookhaven National Laboratoryの研究者らは、LiS電池用の新規硫黄系有機正極材料を開発。
・カソード材料に革新的な有機ジスルフィド化合物(2,3,4,6,8,9,10,12‐Octathia biscyclopenta[b,c]‐5,11‐anthraquinone‐1,7‐dithione (TPQD))を用いた。
・TPQDは251.7mAh/gの初期容量を示す。これは、1分子あたり4.7電子反応に相当する。
・X線吸収分光測定および理論計算の結果、この高い容量はキノン基のOのレドックスやジスルフィド結合の開裂/再結合によって達成されることを確認。
・さらに、ベンゾキノンおよびジチアンによって導入された材料のπ共役構造は、レート特性やサイクル安定性を改善する。
<元記事>https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/aenm.201900705

LIS電池というよりは、有機活物質電池だろうか。最近、このような硫黄化合物の合成に関する報告を目にする。
全固体電池よりも有機電池の方がウエアラブル向きだと思う。

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03 6月 2019

【論文紹介】Building aqueous K-ion batteries for energy storage | Nature Energy

出典:https://www.nature.com/

Nature Energy (2019). DOI: 10.1038/s41560-019-0388-0
・水系のカリウムイオン電池に関する報告。
・正極にプルシアンブルー誘導体(KxFeyMn1 − y[Fe(CN)6]w·zH2O)、有機物負極(3,4,9,10-perylenetetracarboxylic diimide)、電解液に22Mの高濃度KCF3SO3水溶液(Water-in-salt)を用いた。
・80Wh/kgのエネルギー密度で、100Cで10,000サイクル後に70%の容量維持率、-20℃〜60℃の温度範囲で良好な充放電が可能。
・水系にすることで、安価で安全な定置用電源としての可能性を示した。
<元記事>https://www.nature.com/articles/s41560-019-0388-0

この研究が実用化できるかは置いておいて、日本でも産業が起こるときは、様々な発想の研究が行われていた。
最近は、大きいものに巻かれるような状況のようにも思えて、寂しい気がする。

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22 5月 2019

【論文紹介】A linear molecule sulfur-rich organic cathode material for high performance lithium–sulfur batteries – ScienceDirect

出典:https://bioage.typepad.com/

Journal of Power Sources Volume 430, Pages 210-217 doi: 10.1016/j.jpowsour.2019.05.022
・北京のBeihang大学の研究者らは、LiS電池用の硫黄カソードとして線状分子硫黄豊富有機材料を開発した。
・線上の分子にすることで、硫黄の高いローディング量を実現し、且つ、ポリスルフィドの溶解を抑制する。
・ テトラメチルチウラムジスルフィド – 硫黄(TMTD − S)カソード材料は、0.2Cで685mAh/gの初期容量で、200サイクル後に540mAh/gの容量を維持する。
・さらに、Ketjen Black導電剤やカーボンクロス集電体を用いることで、1054mAh/gの初期容量を示す。
<元記事>https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0378775319305713?via=ihub

LIS電池というより、有機活物質電池に近いのかもしれない。自動車用には厳しいが、軽い電池は新しい用途を生み出す可能性がある。また、安価で遷移金属を用いないで電池を構成できればウエアラブル領域などで市場を得られるかもしれない。

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20 5月 2019

【論文紹介】Coulombic self-ordering upon charging a large-capacity layered cathode material for rechargeable batteries | Nature Communications

出典:https://www.nature.com/

Nature Communicationsvolume 10, Article number: 2185 (2019), DOI: 10.1038/s41467-019-09409-1
・東京大学山田敦夫先生らの研究グループは、活物質の劣化を自己修復する活物質の原理を実証した。
・ナトリウムイオン電池用の酸素レドックス層状正極Na2RuO3は、積層欠陥が充放電サイクルとともに消失する”自己修復機能”を確認した。
・これは、ナトリウムイオンが脱離した後に生じる空孔(マイナスの電荷)と、構造中に残存するイオン(プラスの電荷)との間で、ファンデルワールス力よりもはるかに強い「クーロン引力」が生まれることが重要な役割を果たしていることがわかった。つまり、イオンと空孔が強く引き合うことで乱れのない構造へと自発的に変化し、自己修復されていた。
・このクーロン引力を利用する画期的な方法を他の電極材料にも導入することで自己修復能力が発現すること、さらには、電池の長寿命化が可能となることが期待される。
<元記事>https://www.nature.com/articles/s41467-019-09409-1

LIBの場合、これに似た劣化よりも支配的な劣化モードがある。Naイオン電池はこのモードが劣化の支配的なのであろうか。
このようなメカニズムはRu-Oの組み合わせなので成立しやすい。3d遷移金属では難しいであろう。

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16 5月 2019

【論文紹介】Building ultraconformal protective layers on both secondary and primary particles of layered lithium transition metal oxide cathodes | Nature Energy

出典:https://www.nature.com/

Nature Energy doi: 10.1038/s41560-019-0387-1
・米国エネルギー省(DOE)のアルゴンヌ国立研究所の研究者らが、層状リチウム遷移金属酸化物正極用の新規なコーティングを開発。
・酸化化学気相成長法を用いて、層状酸化物カソード材料上に保護導電性ポリマー(ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン))スキンを構築した。
・このスキン層は、リチウムイオンおよび電子の輸送を容易にし、望ましくない層状からスピネル/岩塩相への相転移、およびそれに伴う酸素損失を大幅に抑制し、粒界および粒内の機械的亀裂を軽減し、効果的に安定化する。
・このアプローチによって、高電圧動作下での容量と熱安定性を著しく向上させることを確認。
・二次粒子レベルと一次粒子レベルの両方の層状酸化物でこの保護皮膜を構築することは、高エネルギー、長寿命および安全なリチウムイオン電池に向けたNiリッチカソードのための有望な設計戦略となりうる。
<元記事>https://www.nature.com/articles/s41560-019-0387-1

著者一覧を見ると中国出身と思われる方が多い。政治的な問題はあるかもしれないが、中国の電池に対する熱意が感じられる。若い方が成長することは中国国内に良い影響を及ぼすことが期待できる。
一方で、日本は電池を主要産業にしようとここ数年足掻いているが、人材育成につながる具体的なアクションは起こしたのであろうか。

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16 5月 2019

【論文紹介】パナソニック技報 最新号 – パナソニック技報 – – Panasonic

◯エネルギー関連目次抜粋
・パナソニック環境ビジョン2050の実現に向けて
・水素社会実現に向けた水素・燃料電池関連技術開発
・紫外レーザ改質による大面積ペロブスカイト太陽電池モジュールの高効率化
・消費エネルギー最小化を実現する工場向けスマートエネルギーマネジメントシステム
<元記事>https://www.panasonic.com/jp/corporate/technology-design/ptj/new.html

10年ほど前にペロブスカイト型の太陽電池が提案されて、いよいよ市場に出るのであろうか。
後発の技術を世に出すときにネックになるのはコストではないだろうか。原理的に低コストが期待できても、先発の市場に受け入れられた技術のコストを下回ることは至難である。

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