15 2月

【論文紹介】Quantifying lithium concentration gradients in the graphite electrode of Li-ion cells using operando energy dispersive X-ray diffraction

出典:https://pubs.rsc.org/

Energy & Environmental Science doi: 10.1039/C8EE02373E
・オペランドエネルギー分散型X線回折を用いて、Liイオン電池のグラファイト電極中のリチウム濃度勾配の定量化を試みた。
・1Cレートでサイクル中の多孔質グラファイト電極に発生するリチウムイオンのセクションごとの濃度勾配を定量化した。
・セルが中程度の速度で充電されている場合でも、Li電析条件がグラファイト電極表面近くで満たされ得ることを示唆する結果が得られた。
<元記事>https://pubs.rsc.org/en/Content/ArticleLanding/2019/EE/C8EE02373E#!divAbstract

電気化学測定から予測されていた状態を分光でも確認できたということであろう。このような大型の分光装置を使った解析が重宝されることが多いが、バッテリーサイエンスの追求という視点で考えた時、必ずしも有効な使い方をしていないと感じることがある。

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05 2月

【論文紹介】Approaching Ultrastable High‐Rate Li–S Batteries through Hierarchically Porous Titanium Nitride Synthesized by Multiscale Phase Separation – Lim – 2019 – Advanced Materials

出典:https://onlinelibrary.wiley.com/

Advanced Materials doi: 10.1002/adma.201806547
・LiS電池の硫黄ホストとしてのマルチスケール多孔質窒化チタン(h-TiN)の提案。
・多孔質のLiS電池ホスト剤に硫黄を充填する方法は他にも試みられているが、本提案は多孔質をマルチスケールにしたTiNを提案。
・大きな穴に硫黄を充填し、より微細な細孔はポリスルフィドの溶解を抑制する。
・結果、h-TiN / Sは5 Cレートで1000サイクル後も557 mAh/gの可逆容量を示し、1サイクルあたりの容量低下はわずか0.016%であることを確認した。
<元記事>https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/adma.201806547

海外では硫黄とリチウム金属に最近注目が集まっているように感じる。燃料電池や全固体電池のように、昔から定期的にブームになる。ブームになった背景を分析してみると、いろいろ見えてくるものがある。

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04 2月

【論文紹介(オープンアクセス)】Nanotube-structured Na 2 V 3 O 7 as a Cathode Material for Sodium-Ion Batteries with High-rate and Stable Cycle Performances | Scientific Reports

出典:https://media.springernature.com/

Scientific Reportsvolume 8, Article number: 17199 (2018)
・ナトリウムイオン電池用正極材。
・ハイスループット計算により、4300位上の候補より、ナノチューブ構造のNa2V3O7がNaイオン電池用正極として好適であることを提案。
・合成したナノチューブ構造のNa2V3O7は、5μm程度のサイズにおいても、室温で10Cの電流密度で約65%の容量維持率を示すことを確認。
・充放電中の体積変化が0.4%と小さいことから、50サイクル後にも94%の容量維持率をしめすことを確認。
<元記事>https://www.nature.com/articles/s41598-018-35608-9

基準や比較対象が設定されていないCレートの使用を禁止してほしい。

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29 1月

【論文紹介】A Stable Lithium–Oxygen Battery Electrolyte Based on Fully Methylated Cyclic Ether

出典:https://bioage.typepad.com/

Angew. Chem. Int. Ed. doi: 10.1002/anie.201812983
・リチウム空気電池用電解液について。
・リチウム金属に安定であるという理由からエーテル系電解質が用いられているが、それらはスーパーオキシドや一重項酸素による水素引き抜き反応を介して劣化する。
・そこで、著者らは水素ををすべてメチル基で置換したメチル化環状エーテル、2,2,4,4,5,5-ヘキサメチル-1,3-ジオキソラン(HMD)を提案した。
・エーテルのアルファ位にいかなる水素原子も持たないため、水素の引き抜き反応を抑制できる。
・結果、HMDを用いたリチウム空気電池は、一般的な1,3-ジオキソラン(DOL)または1,2-ジメトキシエタン(DME)をベースにした電解液を使用した場合の4倍以上の157サイクルまで充放電が可能であった。
<元記事>https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/anie.201812983

空気電池に限らずLi金属を活物質に使用できるよう取り組んでいる研究活動は多い。優れた結果を出すことも重要であるが、そのメカニズム解明は、研究を促進させるためにも重要である。
今回の研究のように仮説とその検証の積み上げていくことで、Li金属の実用化が近くのではないだろうか。

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22 1月

【論文紹介】セパレータから見たリチウムイオン電池(LIB)の 課題と展望(Part 1) ~現行及び先進 LIB(液系)セパレータ技術の現況と課題~

繊維学会誌 第75巻 第 1 号 (2019)
・セパレータメーカとその特徴。
・車載用セパレータの市場規模。
・現行及び先進 LIB(液系) セパレータの製造技術
・全固体 LIB における 固体電解質セパレータ
<元記事>https://www.jstage.jst.go.jp/article/fiber/75/1/75_P-42/_pdf/-char/en

セパレーターは日本企業が得意な分野の一つで、電池に必要とされる性能を決めるのに必ず検討が必要である。
革新電池では、活物質電解質が注目されることが多いが、新しい機能を持ったセパレーターが電池の革新を導くようなことがあるかもしれない。

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15 1月

【論文紹介】Promoting a highly stable lithium metal anode by superficial alloying with an ultrathin indium sheet – Chemical Communications (RSC Publishing)

Chem. Commun. doi: 10.1039/C8CC08934E
・インジウムの薄膜を用いることで、リチウムリッチなLi-Inハイブリットアノードを作成した。
・インジウムとリチウムの合金化プロセスは高速であり、デンドライト形成を抑制する。
・標準的なEC/DMC 1MLiPF6溶媒、NMC523正極と組み合わせることで120サイクル後に90%の容量を維持することを確認した。
<元記事>https://pubs.rsc.org/en/Content/ArticleLanding/2019/CC/C8CC08934E#!divAbstract

InとSiはLiの吸蔵のメカニズムが異なる。確かにSiに比べればデンドライト抑制できるかもしれない。

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11 1月

【論文紹介】Projecting the Future Levelized Cost of Electricity Storage Technologies – ScienceDirect

出典:https://ars.els-cdn.com/

Joule Available online 9 January 2019; DOI:https://doi.org/10.1016/j.joule.2018.12.008
・インペリアルカレッジロンドン(ECL)の研究者らは、9つの蓄電技術と12の用途の電池の寿命コストを決定するためのモデルを開発し、2015年から2050年までの間にそれぞれがどのように変化するかを推測した。
・このモデルによれば、揚水発電の水力発電コストは現状では最も低コストであるが、将来的にコストが減少しない。
・一方、リチウムイオン電池のコストは下がり続け、2030年までに全ての蓄電技術の中で最も安いストレージ技術となる。
・長時間の連続放電が必要な用途を除けば、将来的にリチウムイオン電池と競合する技術はない。
・この傾向は、より低コストな代替技術へ大規模な投資をしたにもかかわらず、結局第1世代の結晶パネルが依然として優位な太陽光パネル技術と類似する。
<元記事>https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S254243511830583X?via=ihub

エネルギー商品やサービスは多様化している。このような論文は、背景や前提などを無視した形で出回ると大きな誤解を生む。自動車や電池がらみにはそのようなものが多い気がする。
また寿命を見積もるのに、物理的劣化するものと化学的劣化をするものを同じテーブルにあげるのは予測を見誤る可能性が高い。

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09 1月

【論文紹介】Recent Advances in Energy Chemistry between Solid-State Electrolyte and Safe Lithium-Metal Anodes – ScienceDirect

出典:https://ars.els-cdn.com/

Chem Available online 3 January 2019; doi: 10.1016/j.chempr.2018.12.002
・全固体リチウム金属電池に関するのレビュー論文。
・グラファイトの10倍近い比容量をもつリチウム金属は、非水系電解液よりも高い安全性を示す固体電解質との相性が良いとされているが、デンドライトの問題や、固体-固体接触界面の問題など、多くの課題を抱えている。
・リチウム金属、固体電解質のそれぞれの課題ではなく、これらを組み合わせた際に生じる課題と、近年のそれらのアプローチがまとめられている。
・「素晴らしい見通しを持っているが、 実際には克服すべき多くの障壁がある。」と結論づけている。
<元記事>https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2451929418305412?via=ihub


◯解説:
30年以上前から固体電解質とLi金属の組み合わせの研究は行われている。入力(充電)の電流が低い場合はデンドライドは生成しにくいが、高くすると生成してしまう。
実用的な電流を流した時にどうなるのかが重要なポイントの一つではないだろうか。

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08 1月

【論文紹介】Three-dimensional monolithic corrugated graphene/Ni foam for highly stable and efficient Li metal electrode – ScienceDirect

出典:https://bioage.typepad.com/

Journal of Power Sources Volume 413, Pages 467-475 doi: 10.1016/j.jpowsour.2018.12.075
・リチウム金属電池の金属負極の保護層に関する報告。
・ニッケルフォーム上に三次元モノリシック波形グラフェンを形成した。
・最初のリチウム金属析出中に、リチウムイオンはグラフェンシート端面の境界に挿入される。
・ 次いで、リチウム金属が核形成し、グラフェンシートの下側に成長するため、デンドライト形成を抑制できる。
・さらに、波形グラフェンが人工SEIの機能を果たすことで、カーボネート系電解液の分解を抑制する。
・よって、この三次元モノリシック波形グラフェンを形成したニッケルフォームを用いることで、カーボネート系電解液で1000サイクルにも渡って安定なサイクルを行うことができた。
<元記事>https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0378775318314265?via=ihub


◯解説:
最近、Li金属を使いこなすことに注目が集まっている。電解液やこの研究のように表面修飾する研究が多いように感じる。
この研究は負極フリーも意識しているのであろうか。
海外のベンチャー企業の多くが注目している。実用化するめどがつけば電池容量を飛躍的に向上するのは間違えない。

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04 1月

【論文紹介】A layered-spinel lithium manganite hydrate for high-capacity and ultrafast lithium storage – ScienceDirect

出典:https://bioage.typepad.com/

Journal of Power Sources, Volume 413, Pages 441-448 doi: 10.1016/j.jpowsour.2018.12.067.
・精華大の研究者らが、高容量で高入出力特性を達成する新規な層状スピネルマンガン酸リチウム水和物を合成した。
・層中の水和水の存在により、層状スピネル相中のイオン輸送速度が向上する。
・無秩序な界面と構造は容量を増加させ、サイクル性能を向上させる。
・強い構造骨格を有するスピネル相はサイクル安定性に寄与する。
<元記事>https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0378775318314186?via=ihub


◯解説:
Mnスピネルが、自動車などに採用する際に問題になるのが溶出である。特に高温で溶解のしやすい。この研究がその問題を解決しているのであれば大きなブレイクスルーであろう。

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